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ドリトル先生と伊予のカワウソ
第二幕その二

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「それでもね」
「ティーセットはだね」
「どうしても」
「外せないね」
「そうなんだよ、僕はね」
 これだけはなのでした。
「紅茶とね」
「ティーセットだね」
「三時には」
「うん、ただ思うんだけれど」
 ここで、です。先生は考える顔でこう言ったのでした。
「日本のティーセットとイギリスのティーセットは全く違うね」
「同じメニューでも?」
「違うんだよ」
「うん、紅茶にしてもね」
 これ一つ取ってもというのです。
「お水が違うし」
「けれど葉は一緒だよね」
 ここでジップがこのことを指摘しました。
「香りは変わらないよ、セイロンだと」
「そう、お茶の葉が一緒でもね」
「それでもなんだ」
「日本のお水は美味しいんだよ」
 そこがまず違うというのです。
「軟水でね」
「そういえば日本のお水は」
「違うね」
「うん、柔らかいよ」
 こう表現するジップでした、日本のお水を。
「確かに」
「飲みやすいね」
「お肌にもいい感じだね、毛にも」
「そうなんだ、日本のお水はいいから」
「だから紅茶もなんだね」
「違うんだよ」
 その味が、というのです。
「それにミルクやお砂糖も」
「そういうのもなんだね」
「何もかもが違っているから」
 葉は同じでもです、その他のものがというのです。
「味もいいんだよ」
「そうだったんだね」
「そうだよ、面白いことにね」
「ううん、紅茶も全然違っていて」
「しかもね」
 さらに言う先生でした。
「ティーセットのスコーンやケーキもね」
「あっ、確かに」
「日本のだと」
 動物達も日本のケーキについてはこう言います。
「違うね」
「かなり美味しいよ」
「味が繊細でね」
「素材を活かしているよね」
「日本人は美食家なんだね」
 ここでこう言ったのはホワイティでした。
「食べていてそれがわかったよ」
「ホワイティは最近クッキーがお気に入りだね」
「日本のがね」
 まさにそれがと答えたホワイティでした。
「最近僕のお気に入りだよ」
「そうだね」
「うん、本当にいいよ」
 美味しいというのです。
「甘さがまた違うんだ」
「日本のものはね」
「クッキーはイギリスの食べものだったと思うけれど」
「日本のクッキーはね」
「僕にとってはイギリスのより美味しいかな」
「僕もそう思うよ。だからね」
 それでだというのでした。
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