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第間話 小鷹の怪力

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第間話 小鷹の怪力

「なんなのよ、あの性悪女は??一瞬でもあんなのに憧れた私がバカだった??」

あの後、夜空は小鷹に引っ張られながらも部室に来ていた。

「だから言ったろ?絶対怪力使うって。」

夜空は椅子に座って本を読みながらギャーギャー喚き立てる小鷹を眺め、諌める。

「まあ、これでわかったろ?あの女とお前は決定的に相性が悪いんだよ。」

「うるさいわね!わかってるわよ!と言うかあんた、なんであんな女だって教えてくれなかったの?」

小鷹は机をバンバン叩きながら夜空を睨む。どうやら相当怒ってるようだ。言葉使いがいつもと違う。

「教えただろ。天は二物を与えないような女だって。」

「そんな説明でわかるわけないでしょうが??」

「てかさ、小鷹ってそんな喋り方だっけか?」

小鷹が激怒しているにも関わらず夜空は自分が気になってたことを口にした。
いつもの小鷹の口調は自分のことをボク。相手のことをキミと呼ぶ。だが今は自分のことを私。夜空のことをあんたと言った。

「はぁ?なに言ってんのよ。そんな…わけ…て、あれ?」

小鷹も気づいたようだ。その証拠にみるみるうちに顔が赤くなっていく。

「あ…あ、あ、あああああああああ??」

赤くなった顔を覆うように手をあて、バタバタと走り出す。

「違うんだもん、違うんだもん、違うんだもん??今のは違うんだもん??」

「お、おい小鷹…?大丈夫…」

「違うんだもん??」

そう言いながら、小鷹は夜空に世界チャンピオン並の右ストレートを繰り出した。

「あ、え、英雄王…?あの、ご、ごめんね?だいじょう…」

「ぶなわけねえだろうが??なんだ?あの威力?俺じゃなかったら死んでたよ?」

「ううっ…そ、それは英雄王がからかうから…」

「からかってません??少し聞いただけです??お前さあ…そのうちチンピラ殴り殺しました〜とか、なるなよ?」

バキリと音がした。夜空は予想外の事態に目を疑う。
少しからかいすぎたのだろう。(さっきからかってないとか言いながら…)
小鷹が、談話室4の扉を…

「するわけ…ないでしょうがぁ??」

引きちぎり、投げつけて来た。
そこで、夜空の意識は一度途切れる。
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