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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
番外編 「リメンバー・ウルフ 前編」
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ここは天下のIS学園警備室。IS学園内の警備関連の事柄はすべてこの部屋から指示が飛ばされ、客人の接待からレーダー監視まで外からの侵入が起きないよう監視し、内部でも産業スパイが潜り込んだりしていないかこまめに目を光らせている。日曜日と手休みは無い・・・が、実際には機能の半分くらいは有事の際にしか使わないし監視網も自動化されている部分が多いため多忙を極める訳ではない。

「それに連中(ドゥエンデ)相手じゃ意味ないし、迷惑兎相手だともっと意味ないんだから困りものなんだよなぁ・・・」
「迷惑兎?ああ、篠ノ之博士のことですか・・・一瞬私の事かと。ほら、私は野兎(ハーゼ)ですからね」
「迷惑かけてる自覚アリかよっ!!」

自慢げにシュヴァルツェア・ハーゼの部隊章―――機関銃を抱えた隻眼の兎を見せつける教え子にため息が漏れた。今が忙しければ追い出すのだが、現在は多忙を極める訳ではないが故にこうして教え子に構ってやる暇もあるのだ。残念ながら。
ドイツ時代から何かと甘えたがるこの問題児・ラウラは素知らぬ顔で人の膝の上に座って御機嫌だ。鼻歌交じりに体をリズミカルに揺らす姿はとてもではないが軍属には見えない。というか正直重い。こいつ筋肉の密度が常人と違うから外見の割に体重はあるのだ。ドイツ軍め、余計な技術に手ぇ出しやがって・・・

とはいえ独身の俺にとって教え子は自分の子供みたいなもんだ。面倒に思うことはあっても世話を焼いてやることは吝かじゃない。だからこそこうして人の膝の上に座っているラウラを蹴っ飛ばしたりはしない訳だ。しかし・・・俺の膝なんぞ座っても面白くないと思うのだが。

「ラウラよ、俺の膝の上はそんなに心地いのか?」
「いえ、座り心地は最悪です。筋肉でごつごつしてます」
「悪いのかよ!」

即答でちょっと傷つく。お世辞でも何か言うのかと思ったらまさかの何も言わなかった。こいつひょっとして俺をおちょくりに来ているのか?遊びに来ているという意味では間違っていないような気もする。

「じゃあ降りろよ!」
「でも何というか・・・こうしていると教官と体温を共有している感じがして・・・ぽっ」
「ぽっ、じゃねえって・・・ほら、チョコバーあげるから椅子に座りなさい」
「ふん、幾ら教官の頼みとはいえそんな餌で―――」
「ほれ、ぽーいっと」
「釣られクマー!!」

釣れるんだな、これが。すっかり餌付けの域に達してしまったラウラのチョコバー好きも元はと言えば俺が原因を作ったのだが、今ではいい思い出である。薙げたチョコバーを空中でキャッチしてはぐはぐと齧る我が教え子。幸せそうな顔をするラウラの小動物的可愛さは昔から変わっていないなぁ、などと思いつつ足を組んでラウラが座れないように対策しておく。
暫くチョコバーの余韻に浸っていたラウラははっ
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