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『自分:第1章』
『脱走』
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脱走でもせん限り、先輩と話す時間は絶対に与えてくれんかった筈やから。


先輩が最後に約束してくれた。

『携帯番号とメアドは絶対に変えん。』

家電も、覚えやすいように語呂合わせで教えてくれた。

14年経つ今でも、先輩は忠実に約束を守り通してくれてる。


何かとトラブルの絶えん人生になるやろうからって。
俺の携帯が変わってなかったら助かることもあるやろうしって。

まさにその通り。
変わらん番号とメアドに何回助けられたか。


さて、施設から夜逃げするような感じで出所。
昼間やったけど。
児童が居らん間に。
誰にも言わずサヨナラ。
めでたくないから見送りも無し。


今迄、僅か1年と7ヶ月。
卒業時期に何人か見送った。
時期関係無く、親が迎えに来る子を見送った。
入って来てはスグに出て行く子も見送った。

其の都度、何とも言い難い気持ちになってた。
特別仲良しではない。
むしろ嫌いな奴も。

それでも、同じ空間で生きてるだけで何らかの特別な感情は在ったんだろう。
友達から冷酷って言われる零那でも、他人の傷みは解るから...


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