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骨董品屋
第三章

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「警察は一切取り締まらないしな」
「マフィアが何をしているかわかっていてもな」
「警察もズブズブなんだよ」
 これは本当のことだ、シチリアでは警察にマフイアからの金が随分入っている、それで警察も手を出さない見て見ぬふりなのだ。
「全く、シチリアはどうしようもないな」
「やれやれだな」
「全くだよ、しかもそのモデリィアーニ=ファミリーか」
「厄介な奴等だな」
「そいつ等がここに来たらもっと大変か」
「最悪な連中だからな」
 その手口がだ、マフィアの中でもだというのだ。
「もう町の人間の、あんたの店の売上もな」
「ピンはねするんだな」
「そうして自分達だけ儲けて麻薬まで売ってな」
「おいおい、麻薬もかよ」
「連中はそれでかなり儲けてるからな」
 この町を仕切る様になれば当然そうなるというのだ。
「それもやるな」
「本当にまずいんだな」
「あの連中はな」
「じゃあそいつ等が来ないことを祈るな」
 絶対にというのだ。
「本当に毒には毒だな」
「マフィアにはマフィアだよ」
「それがシチリアか」
「ああ、この島だよ」
 親父はこうモナコに話した、そしてその後でだった。
 町のある場所でだ、一人の老人が黒いスーツの男達を集めてこう話していた。
「いいか、明日だ」
「明日ですね」
「あの連中をですね」
「まだわし等の動きに気付いていない」
 老人は見事な椅子に座ったうえで目の前に立っている彼等に話した。
「だから明日にだ」
「連中の屋敷に急襲を仕掛けて」
「そのうえで」
「潰せ」
 こう命じるのだった。
「わかったな」
「はい、それでですね」
「逆にあの連中の町を」
「取れ、あの町はわし等のシマにする」
 勢力争いもするというのだ。
「そして奴等の麻薬だの売春だのの仕事はな」
「受け継がずにですね」
「そっちも潰しますか」
「ああ、そうする」
 老人はこのこともはっきりと言った。
「ではいいな」
「はい、では」
「一気に」
「わしも行く」
 ここでだ、老人は席を立って述べた。
「息子達も全員連れていく」
「ファミリー総出で、ですか」
「奴等を潰しますか」
「確かに奴等の数は少なく中でいがみ合っている」
 だがそれでもだというのだ。
「連中は侮るな、抗争でもえげつないことをするからな」
「だからですか」
「総出で一気に潰しますか」
「そうする」
 それ故にというのだ。
「だからわしも息子達も。ここには僅かな留守番だけ残してな」
「サッバティーニ=ファミリーの総力を挙げて」
「そして」
 そのうえでだというのだ。
「奴等を俺達のシマに入れない」
「皆殺しにしてもですね
「殺しは好きじゃないがな」
 それでもだとだ、老人は言うのだった。
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