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ソードアート・オンライン 少年と贖罪の剣
第二話:血盟騎士団
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第71層・迷宮区

2024年現在、そこがアインクラッドの最前線だ。解放されたのはつい数日前のこと。まだ完全にはマッピングのされていない薄暗く、限りなく危険な場所で、オレは剣を振るっていた。

「シッーー!」

袈裟に振り下ろした十字架の装飾がなされた両刃剣が、リザードマンのことをその硬い鱗ごと深く斬り裂く。
途端にHPを全損させてポリゴン片となって消えていく強敵を見て、オレは深く溜息をついた。

リズベットと別れてから数時間。寝る間も惜しんでこの迷宮区に潜ったため、流石に精神的に疲労が襲ってきていた。
だがその無理なレベリングのお陰で、現在、レベルは二つ上がっていた。

「…ふぅ」

マスターした索敵スキルを以って敵の姿がないことを確認すると、オレは再び溜息をついて地面に座り込んだ。
固い感触に背中を預ける。

(現在のレベルは89か…安全マージンは十分にとれていると思うが、キリが悪いからもうひとつくらい上げて帰るか。ついでに、マッピングもなるべく進めておこう)

ある程度休んで、オレは徐に立ち上がり背中の鞘から剣を抜き放った。

「…ここはリポップが早いな。いい狩場だ」

睨む先には、先程倒したリザードマンと同系統のモンスター。あちらもオレの存在に気づいたのか、オレに向けて低く呻いた。

「…行くぞ…!」

鍛え上げた敏捷値に物を言わせて一気にリザードマンとの距離を詰める。
あと三歩、

「っ!」

肩に担ぐようにして構えられた剣が、ジェットエンジンにも似たサウンドエフェクトを撒き散らす。

あと二歩、

濃紺の剣の刀身に、オレの瞳によく似た真っ赤なライトエフェクトが瞬き始めた。

あと一歩、

オレの攻撃を迎撃しようとしてか、リザードマンの片刃曲刀にオレンジ色の光芒が輝いた。

だが、

「おぉっ!」

リザードマンの挙動は遅く、真っ赤なライトエフェクトを撒き散らして突き込まれた濃紺の剣に、その身をポリゴン片として散らした。

片手剣重単発攻撃ソードスキル『ヴォーパル・ストライク』。片手剣スキルが950を過ぎた時に習得することのできる上位ソードスキルを以って高レベルのリザードマンを倒したオレは、剣を鞘に納めることなく迷宮区の更に奥へと歩を進めた。



† †



「……ふむ」

散り行く骸骨の騎士を見送ると、どこからともなくレベルアップのファンファーレが鳴り響いた。ここでパーティなどを組んでいたら祝福の言葉なんかがあっただろうが、生憎とオレは孤独のソロプレイヤー。オレがレベルアップし、90の大台に乗ったことはオレ自身しか知らない。

「どうやら、この先を今の状態で行くのは少し危険そうだな。レベルもキリがいいし、ここらで一
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