暁 〜小説投稿サイト〜
機動戦士ガンダム0087/ティターンズロア
第一部 刻の鼓動
第二章 クワトロ・バジーナ
第一節 旅立 第四話 (通算第24話)
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
。国民に反対する者など居りはしません」
「……政治のことは判りませんが、そういうものですか……」
 敢えてそううそぶく。今はまだ、ホイットマンを取り込む時期ではない。純粋なダイクン支持の政治家たちは共和国に復帰していない。彼は共和派から転向したダイクン派なのだ。真の仲間となることはないだろうとシャアは踏んでいた。
「ですから、今は准将として、彼らを率いてさえいただければ良いのです」
 まるで、生徒に教える大学教授のようである。言葉は丁寧であっても、ニュータイプであるシャアを利用して自分が政権を担おうとする野心が感じられた。所詮は政治屋である。
「私は軍人です。ジオンのために最後まで戦うことをお約束します」
 ホイットマンに敬礼を返す。大仰に頷いたホイットマンはシャアの態度に安心したのだろう。笑顔のまま帰っていった。
「失礼します。ベイ中尉、フォス中尉がいらっしゃいました」
「通してくれ」
 キグナンが一礼してドアを開ける。
「アポリー・ベイ中尉、入ります」
「ロベルト・フォス中尉、入ります」
 中隊の要である二人の中尉が並ぶ。彼らとは久しぶりの体面であった。
「アポリー中尉、ロベルト中尉、貴官らが中尉とは、共和国軍はよっぽど人材が豊富とみえる」
「シャア准将、昇進おめでとうございます。また、我々をご指名いただいたそうで光栄に思います」
「ニュータイプ部隊以来だな?」
 アポリー・ベイ、ロベルト・フォスは、一年戦争の最終戦となったア・バオア・クー戦で、シャアが率いたニュータイプ部隊の生き残りである。シャアが《ジオング》で出撃したため、実質的に隊を取り仕切っていたのはこの二人であった。シャアは、自分が戦隊司令官に就任するにあたって、人事部に問い合わせ、二人が軍に残っていることを知って、自分の配下に望んだのである。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ