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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth6聖王家の番犬〜Meister des SchwerT〜
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ベルカ一の勢力を誇る大国イリュリア。その王都スコドラの中央にそびえ立つ王城。その王城の一画、イリュリア王家のテウタ王女に与えられている領域内にある一室にて、テウタ王女を次期イリュリア王へと据えようとする派閥の騎士団の将らが秘密会議を行っていた。
メンバーの顔触れや格好は先の会議と同じ。唯一の違いと言えば、先のアムル侵攻に出立し見事返り討ちにあった地駆けし疾狼騎士団フォーアライター・オルデンの団長ファルコ・アイブリンガー。彼の左腕はギブスで吊られ、右頬には大きな切り傷が刻まれている。その怪我には誰も触れようとしなかった。ファルコ率いる騎士団の3分の2が戦死・再起不能にされた事は周知だからだ。

「――で、此度のアムル侵攻・・・いや、シュトゥラの悪魔オーディンの討伐を目的とした盟友ファルコとフォーアライター・オルデンだが、御覧の通り失敗した」

彼らのリーダー格である初老の男・イリュリア騎士団総長グレゴールが無念そうに言う。ファルコは椅子から立ち上がり、「すまんかった。やられちまった」と頭を下げ、また椅子に座り直す。それを見計らって、1人の女性が「1つ質問」と挙手。
ファルコが「なんだよ、盟友ウルリケ」と応える。ウルリケと呼ばれた20歳前半ほどの女性。綺麗な白髪は両耳の後ろでおさげにし、瞳はルビーのような真紅色。
名をウルリケ・デュッセルドルフ・フォン・ブラッディア。
イリュリアの有する複数の上級騎士団の中でも異質な騎士団――いや、騎士の団と呼べるかどうかも怪しいが――狂いたる災禍騎士団プリュンダラー・オルデンの将だ。そして、遥かに古き時代の戦争・“大戦”に参加していた騎士の末裔と噂されている者の1人だ

「プロトタイプとはいえ融合騎を連れて行ったのでしょ? それに、個人個人の実力も高いし戦術的にも巧妙だし、そうそう遅れを取るようなあなた達ではないはず・・・」

「それに関しての報告が遅れたけどさ。騎士オーディンに新しい戦力が出来ていた。裏切りの融合騎ゼクスに続き、最悪な事に闇の書の守護騎士があの男の下に集った。俺と融合騎フュンフの融合に対し、守護騎士シグナムもゼクスと融合して、結果負けた」

ファルコの報告に、室内の空気が一気に重くなった。彼らのリーダー・グレゴールすらも驚愕に目を見開いている。それほどまでに“闇の書”と守護騎士ヴォルケンリッターは畏怖の対象として、ベルカにその名を轟かせていた。

「オーディンが闇の書の主になったって事かぁ。最悪な状況だよな、それ」

「そうですね。ただでさえ強力な単独戦力である悪魔に、さらに強力な守護騎士が付いたとなると厄介かと・・・」

「少々見直す必要があるんじゃないか? このまま本当にシュトゥラに(かま)けていていいのかどうか・・・?」

「今はバルトとの戦争に意識を
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