暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
1人じゃない
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駆けつけてくれる。
理由があろうがなかろうが、仲間の為、と理由を作って助けに来る。
それが、それを見ているのが、ティアは好きだった。
そして―――――その存在も。








(私は―――――――私の居場所(フェアリーテイル)が、好きなんだ)













通信を切り、ナツは魔水晶(ラクリマ)をズボンのポケットに押し込んだ。
ふと視線を向けると、不安そうな表情のハッピーがこちらを見ている。

「ねえ、ナツ。ティア大丈夫だった?」
「当たり前だろ。あのティアが、んな簡単にへばる訳ねえ」
「……そうだよね!」

ナツの言葉に安心したのか、ハッピーが笑う。
そんなハッピーに笑顔を向け―――――――気づく。
突然真剣な表情になった相棒に気づいたのか、ハッピーが首を傾げた。

「ナツ?」
「しっ……誰か来る」

唇に人差し指を当て、前を見据える。
コツ、コツ、と足音が近づいてくる。
曲がり角から現れたのは――――――少女だった。

「おー、やっとー、敵ー、発見ー」

いちいち語尾を伸ばす少女。
緑色のパーカーを纏い、何やら顔のようなモノが描かれたフードを被り、緑色の膝上丈スカートを穿いている。緑のニーハイソックスに黒いシューズ。ボブより少し長い髪は淡い緑色。
全身緑のティアと同じくらいの歳の少女は、てくてくトコトコとナツに向かって歩いてくる。
ピタ、と距離を置いて立ち止まった少女は、ぺこりと頭を下げると不思議めいた表情のまま呟いた。

「私はー、シオ・クリーパー。災厄の道化(ミスフォーチュンクラウン)のー、殲滅ー、担当ー」

少女――――――シオ・クリーパーは、フードを小さく持ち上げた。
白い額には、これまた緑の道化師の紋章。

災厄の道化(ミスフォーチュンクラウン)!?血塗れの欲望(ブラッティデザイア)の傘下闇ギルドじゃないか!」
「ほー、つまりは敵って事か」
「まー、簡単にー、言えばー、そういうー、事かなー」

驚くハッピー。
が、ナツはといえば大して驚かずにニヤリと笑う。
シオの方も表情は変わらない。

「ティアに根拠見せねーといけねえからな。さっさと倒して先行かせてもらうぞ」
「無理ー、お前はー、ここでー、殲滅ー、されるー」

ナツの言葉に、シオはゆるゆると首を横に振る。
それを、ナツは気にしない。
ニッと笑い、叫ぶ。

「燃えてきたぞ!」
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