暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第3話『病院での再会、「この人苦手だ……!!」』
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
トをかけると、書き置きを残して母親のところに向かうのだった。

─────────────────────────────────

「ねえアンタおぼえてる? くーちゃんのお医者さん」
病院へと向かう車の中で、由希子が尋ねてきた。
「ああ・・・ちょっとふざけた感じのじーさんだったな」
「そう・・・でもなんかね、本当に有名な先生らしいのよ。
前にくーちゃんと同じ様な患者さんを治したことがあるとかないとか……」
「あるとかないとかって。怪しい感じだなぁそれ」
「まあアタシも、どうもイマイチ信頼できないんだけどねぇ」
それでも、計佑にとっては大きな意味のある話だった。

──まくらと同じ様な人が前にもいた……?
じゃあもしかして『俺だけが見えている』ような状況の事とか何か知ってたり、
俺のように『見えた』人とかもいたりしたんじゃないのか?

詳しい話を聞いてみたい。まくらの身体を確認するだけのつもりでいたが、
思いがけず手がかりが見つかりそうなことで、心は僅かに弾んだ。

─────────────────────────────────

「あのー……すみません。これ、祖父にお願いできますか? お弁当なんですけど……母に頼まれて」
まくらが入院している病院の受付女性に話しかける少女。麦わら帽子をかぶった雪姫だった。
「あんらぁ〜雪姫ちゃん!! 久しぶりねー。 またキレイになってぇ〜。CMみてるよ〜」
テンションの高い声に、受付にいた他の女性たちも雪姫に気付いた。
「私もー! 白雪フェイス♪ 使ってるー」
<b>「わ! ホントにCMのコだー」</b>
<b>「ホントにきれー」</b>
「そんな……恥ずかしいです。やめてください……」
雪姫は本気で困った様子で謙遜しているのだが、
受付女性たちは『照れているだけだろう』と大して気にせず、はしゃいだ声を上げ続けた。
「あらっ? 泳ぎに行ってきたの?」
「いえ、これから……」
『「デートッ!!?」』
「違いますよー、クラスの女の子達とです」
テンション高い女性たちにちょっと引きながらも、笑顔は絶やさずに雪姫が答える。

──……あれ?

きゃいきゃいと絡んでくるナース達に、内心困っていた雪姫は、
視界の端でちょうど病院に入ってきた計佑の姿を認めた。
計佑と母親らしき人物は、真っ直ぐエレベーターのほうに向かい、雪姫の事には気づかなかった。

──受付に来ないってことは……お見舞いかな?

「ねーねー、うちのコにサイン書いてあげてー♪」
相変わらず黄色い声で話しかけてくる女性たちに、
「すいません、後でまた寄りますから」
そう別れを告げると、雪姫は足早に計佑たちの後を追った。

────
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ