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東方喪戦苦【狂】
三話 もう一つの過去
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「もう、やめだな」
骸はため息をついて、振り返った。

「おいっ!後ろ!アゲハが来てるぞ!」
多分気づいてるとは思うがな。


骸が指を鳴らすとアゲハの頭上に真っ黒な檻が現れた。

「落ちろ」
檻がアゲハを捕らえた。


「出せぇ!出せぇ!ここから出せぇ!出せよ!」

アゲハは、狂ったように涙を流しながら檻を叩いたり、蹴ったりしてどうにか出ようとしていた


幾斗は、その光景を見て、少しニヤッと笑った。

どうせ『まるでそれは蝶を虫カゴに閉じ込めたかのようだった。アゲハだけに』とか思ってるんだろ?

「無駄、無駄、俺が約1km位離れないと消えないし、壊れない様な檻を創り出しといたらからな」
コンコンと檻を叩いてみた。

なるほど。こいつはこの世界の物質じゃあないな。
存在しない物質か。

骸は、先に歩いたとする。


アゲハは、放置でいいのか?


PLAYするときは放置派なのか?


骸を追いかけていると、幾斗が後ろで女の子(それも幼女と少女)とよろしくやっていたが気にしないことにした。


ん?そこ!!よろしくって具体的に何かって?


…目をつぶってやってくれ。

幾斗も『(おとこ)』だからなぁ…


それが人間の(さが)なんだから…



__________________________________________




「兄ちゃん、不思議な眼をしているなぁ、」

骸に向かって帽子をかぶって顎に無精髭を蓄えた男がいきなり話しかけてきた。

「誰だ?知り合いか?」
「なんだ?ナンパか?」
幾斗と俺が声を揃えて問う。

勿論前者が幾斗だ。


「全く知らないぜ、誰だ?おっさん?あんたも俺とアゲハと同じ、転生者か?」
ああ俺は、スルーか。

骸が構える。

が、戦闘フラグでは、なさそうだ。
「いやぁ、俺はそんな大層なもんじゃないさ、あんたみたいのに、こいつを授けに来たのさ」
男は、何かを差し出した。


その何かとは、二本の刀だった。

「なんだ?こいつは?」
骸が少し警戒したように問う。

「極少数の者にしか素顔を見せない、妖刀だ。名を『狂乱月』と『夢想斬』」

骸は少し悩みこいつを貰い、人里を後にした。


「極少数の者にしか素顔を見せない妖刀ねぇ、本当か?」

俺は、疑っていた。

まああたりまえだろう?

昔から何かをくれるおじさんは、色々あるんだよ。


みんなは、騙されるなよ?

狂夜兄さんとの約束だぜ。


「なら、一回抜いてみるか?」
いんじゃね?と言おうとしたがその前に星花が忠告した。


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