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アラガミになった訳だが……どうしよう
アラガミになった訳だが……どうしよう
5話
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は出力が上がり、刃は表面に薄くレーザーのようなものが張り巡らされ切れ味をあげているようだ。
どうやらウロヴォロスの顔を喰らった時に得られた僅かな能力を、体が再構築された左腕に可能な限り有効活用する方法を考えた結果なのだろう。
手に入れた量が少なかった分左腕だけという形になったのだろうが、もしも十分な量が手に入った場合全身目玉まみれになったのか?
………断固、拒否させてもらおう。
ある程度進むとほのかに潮の匂いが鼻をくすぐった、視界に海は全く見えないのだがアラガミの嗅覚は随分と遠くの匂いを嗅ぎ取ったらしい。
さて、あとはグボログボロがいることを願うばかりだ、ここまで来て無駄足だったというオチは勘弁願いたい。
そして、ここからもう一度引き返すことはもっと嫌だ。
下手をすればあのウロヴォロスともう一度鉢合わせなど、例え死んでも絶対に拒否させてもらう。

さて、その後も何の問題もなく浜辺に辿り着けたのだが……いやはや驚いた、小さな漁村があったのだ。
最初はどうせ廃村だろうと思って近づいたのだが、よくよく見てみると焚き火の跡や洗濯物やらを見つけ、少々離れた位置からグボログボロを探すついでに観察していると5名程だが生存者を見つけた。
赤ん坊が1人、成人しているであろう男女が1組のおそらく家族なのだろう。
だが、ここで疑問が浮かんだ。
あの家族はアラガミに襲われないのか?こんな世界だ程度に差こそあれ、アラガミがいないなどということがあり得るのか?
少々危険だが、どうにも気になって仕方が無い……もっとも最初に近づいた時に付けてしまった足跡で俺の存在は気づかれているらしいがな。
まぁ、ここならばフェンリルに連絡されてどうこいといったことはないだろう、単なる願望に過ぎないがそう自分に言い聞かせて彼らに近づく。



案の定、かなり警戒されているな。
赤ん坊と女性は家の中へ隠れ、男はこちらに銛のようなものを向けている。
「どなたか存じませんが、どうかお引き取りを」
一応、こちらが旅の者であり危害を加える気は無いことを説明し、持ち物を全て彼に晒すと少しだけだが警戒を緩めてくれた。
マントと甚平の下だけしか持っていない人間に、武器を持った人間がそこまで警戒するかと言われるとおそらくそこまでではないだろう。
加えて自分で言うのもなんだが俺の体格はどちらかと言うと貧相なものというのもあり、目の前の男より随分弱そうに見えるのもあるだろう。
とりあえず疑問に感じていた事を幾つか聞いてみようと思う、まず何故こんな辺鄙な所に家族だけで暮らしているかだ。見たところ衣服はそこまで質の悪いものではなく、ごくごく一般的な服装で困窮してここに来たという訳ではないだろう?
「…ええ、都市部はアラガミに重点的に襲われ、仕方なく浜辺の実家に逃げて来ました。もっ
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