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少年は魔人になるようです
第90話 少年は力《闇》を手に入れるようです
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ですね。」

「さ、桜咲さん!とまっつん!助かったよぉ!」

「おやおや、若いお嬢さんに愛称をつけられてしまったよ刹那君。私もまだまだ捨てたモノでは

ないようだね?はっはっはっは!」


背後に着地音一つ、しかし影は二つ。刹那と松永もまた、導かれるようにオスティアへ到着した。

それを何を思ったのか"まっつん"呼ばわりした和美だったが、呼ばれた松永は非常に上機嫌だ。

・・・無論、それを見る刹那の周囲は氷河期もかくやと言う凍霞が吹き荒び、目は虚ろだが。


「さて、それでは終わらせて来ようかね。申し訳ないが刹那君は自分で身を護って頂けるかな?

大変遺憾ではあるが、風魔の恵風は二人までしか張れないのでね。」

「そんな事は百も承知です。と言うか、私が行くので貴方はここで二人を護っていてください。

高名な賞金稼ぎでしたら陽動くらいするでしょう。」

「ふぅむ、そうなったらこちらに強い者が来る可能性が高い。宜しい、任せよう。」


『戦闘狂め・・・』と呟き、"閃の眼"で霧を見通して敵の人数を把握し、縮地で距離を詰める。

500mまで近づくと相手も気付き、散開しつつ広範囲に降らせていた魔法の矢を刹那の周囲に降らせる。

ギュゥン ギュゥン ギュゥン
「やれやれ………五月蠅いのは苦手なのですが。」

「待て、一発も当たっていない!魔法障壁だ!」

「あの量の魔法の矢を防ぎ切るだと……!?まさかBクラス以上か!」


総数二千を超える『魔法の射手(サギタ・マギカ)』を黄金と漆黒に輝く障壁で防ぎ、平然と荒野を歩く。

勿論魔法が不得意な刹那が張った障壁ではなく、"十束"と"不動行光"に宿った怨念による障壁だ。

この世のあらゆるモノに呪詛をかけ殺す、陰陽と仏法と地獄の呪法の融合術式。

攻撃を通せるのは"神"レベルの天使か信長・松永以上に殺した人間か、あるいは―――


「その黒衣……以前見た事があります。『黒い猟犬(カニス・ニゲル)』とか言いましたか。

名を売ろうとするのは勝手ですが、か弱い女の子二人を大人数で追うのは如何なものかと。」

「抜かせ!!丁度良い、貴様も餌の一人だ!」
ボボボッ!!

溜息をつき構えも無くトコトコと歩いて来る刹那に、筋骨隆々な四人が一斉に襲い掛かる。

しかし、その拳は当たる事無く地を割るだけに留まった。


「はぁ………あなた方は一度も女性の扱いと言うものを教えられなかったのですか?

私が相手で良かったですね。」

「い、いつの間に後ろ、に………?」

「相手を見た目で判断しない。覚えておくと良いです。」
―――ガガガガンッ

刹那が立ち去った後に、打撃音4つ。速度強化の『虚神』と
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