暁 〜小説投稿サイト〜
絶望と人を喰らう者
第三話 四
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
撃を流しているかもしれないと考慮して迂闊に近づけなかった。

「グアァァァァ!!」

 結月は傷ついた身体を修復しようと、力を溜めて細胞を活性化させている。
 このまま何もしなければ完全回復してしまいそうな勢いだ。
 ナナシはイチかバチか、玉砕覚悟で突っ込もうと、クラウチングスタートするように後ろ足にぐっと力を入れる。
 そして、駆けようとしたその時。

 火薬独特の、乾いた破裂音が響き渡り、ナナシの真横に何かが飛んできた。
 目で追えない速さで飛翔するそれは、結月の一度尻尾に貫かれて開かれている胸に通り、中に入る。
 すると、パキンっという、ガラスが砕けたような音がした。

「ガ…… ア……ァ……」

 ガラスの砕けた音がした瞬間、結月の動きはどんどん鈍くなりやがて、ゆっくりと身体が崩れ落ちるように倒れた。

 ナナシは彼女が死んだっと認識し、改めて後ろを振り向く。
 彼の振り向いた先には、尻餅をついて全身を震わせている銃を持ったアリスが居た。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ