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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
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第四十三話 相互意識干渉
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すればいい、優先順位さえ決めてしまえば、あとはそれを邪魔するものは全力で排除するだけだ。

『よし、では作戦を開始せよ』

 千冬さんの声が聞こえると同時に、僕らは一気に加速を開始する。
 瞬間的な加速ではほぼ横並びで、最初の数秒は僕も紅椿に追随できたもののすぐに距離を開けられた。束さん特製のパッケージでも、天照の装甲などを考えるとこれが限界なのだろう。
 それ以上に、単独でここまでの性能を誇る紅椿が恐ろしい。

『このままいけば、二分ほどで織斑と篠ノ之は接触する。陸地とは相当離れた位置になるから周辺被害は心配いらん。西園寺はその後に一分遅れで到着予定だ』

 どうやら予定より遠い沖の方で戦闘に入れそうだ。
 銀の福音の武装やスペックを考えると広範囲に被害が及びそうだったので、周囲に何もないのはありがたい。

『織……し……! 西……気……ろ!』

 そろそろ二人が銀の福音と接触したと思われるころ、途切れ途切れの千冬さんの声が聞こえてきた。まるで通信妨害が入ったかのようだ。
 妨害……? ISコアを用いた通信に妨害なんてできるのだろうか? 何かがおかしい。

 でも、理由を考える余裕はない。
 ハイパーセンサーの視覚情報にはすでに目標が映し出されている。全身の銀色が目映いばかりの輝きを放ち、頭部から一対の巨大な翼を生やした機体……銀の福音だ。

 織斑君たちは既に交戦している……ということは初撃は外したのか。
 
 ……それにしても速い。織斑君の攻撃は全て躱され、銀色の翼の一部から放たれる、光の弾丸が彼らを追い詰めている。凄まじい連射を誇るその弾丸のいくつかは、織斑君に触れると同時に激しい爆発を起こしている。

(く、急げ……急げ!)

 既に織斑君は零落白夜を発動している、その上で攻撃を受けていてはもうエネルギーはほとんど残っていないかもしれない。
 あと数秒で着くはずなのに、それが限りなく遠く感じる。

 と、その時の戦闘エリアの海上にあり得ないものを認識した。

 それは一隻の船。海上は封鎖され、監視されている以上その場にいるはずのないもの。紛れ込んだにしろ、一般の船だったら学園側が把握できていないはずがない。密漁船……それも違う、それが見つけられないほど学園も無能ではないはず。

 ……まずい!

 その存在自体に、僕の中の何かが激しい警鐘をうち鳴らす。
 にもかかわらず、あろうことか織斑君は銀の福音の攻撃からその船を守り、せっかくの攻撃チャンスを棒に振ってしまった。

 急げ……急げ!

『なぜ犯罪者など庇う!』
『箒っ! そんな寂しいこと言うなよ……力を手にしたら弱いやつのことが見えなくなるのか? そんなの……らしくないぜ』

 接近したからだろうか、先ほどま
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