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異伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(ヴァレンシュタイン伝)
異聞 第四次ティアマト会戦(その1)
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ガー元帥の意向が有ったようだ。少佐の服からはコルプト子爵の指紋が検出された。軍服だけでなく、シャツからもだ。誤って手が触れた等という事ではない。コルプト子爵が少佐に暴行を働こうとしたと判断された。

コルプト子爵は暴行を否定したが本人の証言が曖昧である事、またコルプト大尉の復讐を考えている事が明白な事も有り受け入れられなかった。暴行、復讐、そのどちらもがミュッケンベルガー元帥の不興を買ったようだ。

ミュッケンベルガー元帥に意見を求められたフレーゲル男爵もコルプト子爵を卑劣漢と手厳しく批判したと聞いている。子爵を処分してもブラウンシュバイク公は抗議しないという事だ。コルプト子爵は戦闘終了までイゼルローン要塞内で謹慎となった。いずれオーディンに戻ってから正式に処分が出るらしい。

ヴァレンシュタイン少佐は事件直後は沈んでいたが最近では以前のように業務をこなしている。ビッテンフェルト、ロイエンタール、ミッターマイヤーもようやくぎこちなかったがとれ以前のように少佐に接している。

フレーゲル男爵に礼を言った。面白くは無かったが少佐は俺の艦隊の士官であるから一言礼を言うべきだと思ったのだ。キルヒアイスも同意見だった。男爵の所に行くと相変わらず尊大で嫌味な応対で腹が立った。だが帰り間際に男爵は妙に真面目な表情で話しかけてきた。ヴァレンシュタイン少佐は後方勤務に戻すべきではないか……。どういう事だ? 何を考えている、フレーゲル……。



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