暁 〜小説投稿サイト〜
機動戦士ガンダム0087/ティターンズロア
第一部 刻の鼓動
第一章 カミーユ・ビダン
第二節 配属 第五話 (通算第10話)
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
オン公国軍の動きを察知した地球連邦軍はヨハン・イブラヒム・レビル中将率いる第三宇宙艦隊を中核とした連合宇宙艦隊を派遣した。ジオン公国軍はドズル・ザビ大将率いる第一・第三機動艦隊を主力としてこれを迎撃したが、ドズル大将は三倍にも及ぶ敵直前での核パルスエンジンの取り付けは被害を出すだけであると中止させ、第二機動艦隊も戦場に投入した。このため、地球連邦軍は艦隊の五〇%以上を喪失した上に、司令長官たるレビル中将を捕虜にされた。ここに地球連邦軍は、宇宙艦隊と制宙権を失って敗北した。
 この二つの戦勝を以て、ジオン公国は地球連邦政府に対し休戦協定を突きつける。これは事実上の降伏勧告だった。地球連邦軍の敗色は濃厚であり、連邦政府首脳は降伏を受諾しようとしていた。まさにその時、捕虜となっていたレビル中将が奇跡の生還を遂げ、全世界に向けて放送された「ジオンに兵無し」の演説によって、首脳部は徹底抗戦を決議し、NBC兵器や大質量兵器の使用禁止およびコロニーへの攻撃の禁止を謳った戦時条約の締結に留めることとなった。両軍はこれにより、戦争は終結のタイミングを失った。
「結局、レビル元帥が戦争をしたかったってことなんじゃねぇか?」
「そうでもないさ。レビル元帥はザビ家内部の不協和音を知っていたって噂もあるし」
「それ、根も葉もない噂だろ?」
 ランバンは首を振って、最後のカツサンドを口に放り込んだ。
 一説には戦争の長期化を危ぶんだデギン公王がレビル中将を逃亡させたという話もあるにはある。デギン対ギレン、ギレン対キシリアの政治的駆け引きが首脳部の不協和音の原因になっていたのは事実だ。
「ま、思惑はどうあれ、結局戦争は続いちまった訳だけどさ」
「一度始まった戦争は、終わりの時がくるまで終わらないんだ……」
 戦争終結ができなかったジオン公国軍はかねてより計画していた地球侵攻作戦を実施、二月七日に第一次地球降下作戦を開始した。第一次降下部隊が旧ロシア連邦ウラル地方の資源地帯を制圧、第二次降下部隊は二方面作戦によりカリフォルニア基地と首都ニューヨークを制圧。第三次降下部隊はオセアニアの資源地帯を制圧、続く補充降下部隊でアフリカを制圧した。そして、地球降下作戦の本隊がオデッサに進駐することで、地球降下作戦は成功に終わった。抵抗らしい抵抗を受けなかったとも言われる地球降下作戦は、ミノフスキー粒子によるレーダー攪乱と、コロニー落としによって地上戦力の半数以上が破壊されたことによって、組織的抵抗が不可能になったからであるといわれる。
 だが、ジオン公国軍の快進撃もそこまでだった。
 支配地域を拡げ過ぎたジオン公国軍は延び切った補給線と慣れない地球の環境、日ごと激しさを増すレジスタンス活動に悩まされ、戦線は膠着状態となった。連邦軍は焦土作戦を行うことによって戦線を膠着状態にし、時
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ