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戦姫絶唱シンフォギア/K
EPISODE7 理由
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二つ購入して片方を響に渡す。紙コップの中から湯気が立ち上り甘い香りが鼻を抜けて心をリラックスさせる。こういう時、ココアには不思議な力かなにかがあるんじゃないかと思う。


「・・・・私、やっぱりダメダメだね。翼さんのことなにも考えないで、勝手に一人で突っ走って・・・・挙句にユウ兄まで怪我させちゃって」


浮かべた笑みにいつもの元気さは見られない代わりに気づかれしたような苦笑をする響。昨日の今日で彼女なりに自分の中で整理していたようだが中々うまく行かないらしい。覚悟を示したつもりの言葉は逆に彼女の逆鱗に触れ、おまけに涙まで流させた。「奏の代わりなどいらない」という彼女の言うことはもっともだろう。

でも、響はそれでも心の片隅では納得がいっていなかった。天羽 奏はもういない。その現実から逃げていると思ったのかもしれない。翼のことを緒川にしろ弦十郎にしろ聞いていた時、そう考えてしまった自分がいる、だから出てきた自分が奏の代わりになるという答え。

だれも、誰かの代わりになってなれるはずもないのに。

 ひどく落ち込む響を見て、雄樹は――――


「・・・・響ちゃんはさ、なんで人助けが趣味なの?」

「え?」

「…人を助けたいってことはすごく立派なことだし、凄いことだと思う。でも、それって案外誰でもできちゃうものでしょ?なのに響ちゃんはそれを“趣味”って言ってるからなんでかなっと思って」


どうしてこんな話になるのか。聞きたいのは自分の悩みに対しての助言なのに、いきなり「きみの趣味はどうしてそれなの?」なんて話になっている。まったく違うことにすり替えられたことに疑問と若干の不機嫌になりつつ響はその問いに答える。


「それは、私にもなにかできることがないかって考えたら、そうで・・・・でも、私には――――」

「そう、響ちゃんには奏ちゃんの代わりなんで絶対できない。それは俺も同じだし、叔父さんである弦十郎さんも同じ。人間ってさ、そういうところ不器用だよね。誰かの代わりになってあげられたらって思っても、結局自分以外にはなれないんだし。…でもさ、だからこそできることがあるんじゃないかな」

「え…?」

「・・・・俺はみんな笑顔を守りたい。これはたぶん、俺ができること。クウガだからこそできることなんだ。俺だけじゃ、絶対できない。だからこの力のこと嫌いじゃないんだ。だって、俺がやりたいことを全力でできるように力を貸してくれるから!」


その顔はまるで子供のように純粋で、太陽のように明るくて。どこまでもまっすぐで――――曇りのない青空のような笑顔。

 その笑顔に憧れて。その強さに魅せられて。こんな自分でも誰かの為にできることがあると探して見つけた答え。いつからだろう、こんな風になっちゃったのは・
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