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夏の始まり、七夕フェイズ 魏
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は確かだし、凪は着せ替え人形にさせられてるんじゃない?」
「この前皆の身体の採寸してたもんね。どんなのが出来るのかな?」
「……秋斗の発案を沙和が仕上げるのだから、皆に合ったモノを用意してくれるでしょう」

 詠さんの言葉に月ちゃんが不思議そうに首を傾げた。
 華琳様は納得したのか、ふっと微笑んでまたぜりいを口に運ぶ。そういえば三人の残りはどうなるんだろう。

「じゃあ……暖かくなったらまずいし……ボクが食べても――――」
「こら、季衣! 魔法瓶があるんだから冷やしたままに出来るでしょ? 真桜さんには後で持って行ってあげましょ」

 流琉ちゃんに怒られて、しゅんと落ち込む季衣ちゃんを見て、秋蘭さんが笑った。

「ふふ、なら私のをやろう」
「え? いいんですか!?」
「ああ、実は秋斗の手伝いをしたのだが……その時にお礼として他の甘味を食したのでな」

 もやもやと、桂花さんから怒気が上がる。
 先に他の甘味を食べていたから秋蘭さんは手を付けていなかったのか。
 それにしても、まさか秋蘭さんに手伝いを頼んでいるとは……秋斗さんは今日は何をするつもりなんだろう。華琳様は何も言わないようだけど、桂花さんからは怒気が上がっていた。

「……何食べたのよ?」
「試作段階の甘味を、味見としての意味もあったようだ」
「えー!? ずるいですよ秋蘭様ぁ!」
「すまんな、役得というモノだ。だが、霞と姉者も食べたぞ」
「ちょ、秋蘭! それ言うたら……」
「へぇ……なら二人のぜりいも渡して貰いましょうか」

 凄みのある笑みで華琳様が言うと、

「申し訳ありませんでしたぁ! どうぞ華琳様!」
「ご苦労。店長と秋斗の作る甘味は一日最高でも一品、という制約を破った事は不問としましょう。流琉は季衣に秋蘭から貰った分を半分分けて貰いなさい」

 当然だというように春蘭さんが差し出した。というか、動きが速すぎて見えなかった。

「じゃあ霞ちゃんの分は風が貰いますねー」
「隙あり、です」

 小さなすぷーんが二つ、普段の二人からは想像も出来ないような速さで動かされた。
 風ちゃんと朔夜ちゃんが霞さんのぜりいを……まだ八割ほど残っていたのに全て持って行った。
 たちまち一口で食す彼女達は、リスのようにほっぺたを膨らまして可愛い。

「あー! ウチのぜりいがぁ!」
「ふん! 娘娘のおやつは一日一つの制約を破るからよ!」
「秋斗殿も酷な事をしたモノですね。このひんやりとしたぜりいを減らさせるような事態を作り出すなんて。秋蘭は線引きがしっかりしている事も分かっていたはずでしょうに」

 稟さんの言に、にやりと、霞さんがそれを聴いて笑う。

「ええもん。ウチらもっとおもろいもん食ったし。なあ、春蘭?」
「ん? 
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