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ポストサイド
2305/12/11 「機械」

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八時。
スリープにしないで二十日目、やっぱり人間とは違うんだと改めて認識した。
そんなの最初から分かっているが。
しかしいくら仕事が少ないからといって徹夜でゲームしてるのは大丈夫なのかと不安になってきた。
流石に自分には善悪の判断をする機能は入っていない。そもそもその基準すら分からなかった。
…警察として見たらこれはどうなのだろうか。
思考時間コンマ一秒、≪明らかに間違っている≫と出た。
出た、というより自分で考えたで良いのだろうか。いまいち感覚が掴めない。

自分が造られて何日経っただろうか。本来は他の警察官同様、外の事件を調べに行ったりしなければならないはずなのだ。
しかし現状は違う。部屋でモニタを見ながらゲームで遊んでいる自分がそこに居た。
これは多分、世間一般で言うニートなのだろう。本当にこれでは自宅警備員である。
だが自分には事件は来ない。既に平和を保っていたこの国では事件などそうそう起こらない。
起こる事件は軽犯罪くらいで、自分が出るような重犯罪は起こらないのだ。
起こってほしい、と思ってしまう時もある。
このような自堕落な生活ではいけないと思いながらコントローラーを持っていた。

「おーい雑用、起きてるよなー?」
扉を開けながら呼びかけてきたのは俺の上司、ロートだった。
「はい、起きてますよー」
「起きてますよーじゃねぇよ。仕事しろ」
「じゃあその仕事を下さいよ」
「ねぇよそんなもん」
「あれ?そうなんですか?」
「あるにはあるけど、お前の求めてるような物は無いよって事だよ、いちいち説明させんな鉄屑」
そう言うと幾つかのファイルと紙を置いた。
「これ、此間フル(アーカイブ No.1)で起きた窃盗事件の書類、適当に書いてまとめて持ってきて」
「何時まで?」
「十時まで。それまで俺はどっか適当に行くから出来たら電話しろよ、じゃ」
ロートは扉を閉めて出て行った。
フル(アーカイブ No.1)、というかもうフールだよな、と思った。
なんでネット上で犯罪自慢とかするかなぁと感じながら仕事を処理し始めた。
唯一の暇潰し、それなりに時間をかけてやっていこうと思う。
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