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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第11話:おはなみに行こう!−2
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は肩をすくめた。

そのとき、呼び鈴が鳴り来客があることをしらせる。

「あっ、コロナとリオが来たのかも!」

ヴィヴィオは最後の一枚の皿を水切りかごに入れると、キッチンを出て
玄関へと走っていく。

その背中を見送りながら、リビングに歩いていくゲオルグ。
ソファの上で寝転がり足をパタパタさせているティグアンを抱き上げると
自分自身はソファに座り、ティグアンを膝の上に座らせる。

つぶらな瞳を瞬かせつつ自分の顔を見上げるティグアンに向かって、
ゲオルグは心情を吐露し始めた。

「なのはと結婚してもう4年になるけど、やっぱり女ってのはよくわからないよ。
 ホント、俺達とは違う生物なんじゃないかと思う。 時々だけどな。
 まあ、だからこそ惹かれあうのかもしれないけどな。
 なあ、お前はどう思う?」

真剣な顔でティグアンに問いかけたものの、ティグアンはわけがわからないと
いうようにこくんと首を傾げる。
その仕草にゲオルグは自嘲めいた笑みを浮かべる。

「なんて、こんなこと言ってもまだわかんないよな。
 でもなティグアン。 言っておくけど女には気をつけるんだぞ。
 おとーさんは幸いなのはっていう最高の奥さんを見つけられたけど、
 世の中には怖ーい女性がたくさんいるんだ。 はやてとかな。
 なのはにしたって普段はあんなにやさしく見えるけど、
 いざ怒ると本当に怖いんだよ。 だからな、女には気をつけるんだぞ」

ティグアンが理解できていないことが判っていつつも、さらに続けるゲオルグ。
だが、その背後に忍び寄る影に彼は全く気付いていなかった。

「ゲオルグくん」

普段より低いトーンの、しかも囁くような声が耳元で聞こえたとき、
ゲオルグはビクッと肩を震わせて背筋をぴんと伸ばした。
自身の父の様子にただならぬものを感じたのか、
ティグアンはゲオルグの膝から飛び降りると、リビングを出て玄関の方へと向かう。

「あんまりティグアンに変なことを教えないでって、前にも言ったよね。
 覚えてる?」
 
「もちろん、覚えてるさ」

「ふーん。じゃあ、いいの」

背後にあった気配が遠ざかり、なのはの背中がキッチンへと消えると
ゲオルグは大きく息を吐いた。

「ああ、それと」

再びすぐ後からなのはの声がして、ゲオルグはまたビクッと身を固くする。
そのゲオルグの肩になのはの柔らかい胸が押しあてられる。

「わたしも、ゲオルグくんっていう最高の旦那様と一緒になれてホントに幸せだよ。
 それだけっ!」
 
ゲオルグを後から抱きしめるように回されていた手が離れ、
なのはの気配も再び遠ざかる。
なのはがキッチンに姿を消したあと、ゲオルグは照れくさそうに頬を掻いた。



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