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魔法少女まどか☆マギカ 〜If it were not for QB〜
零話
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ったわね」
 「そんな、馬鹿な……何故だ、こんな願いが叶うわけが……これが鹿目まどかの潜在能力……」

 白い悪魔は尻尾の先端、足の先から石化していく。今まで銃撃で蜂の巣にされても動じなかった彼が初めて狼狽した。恐らく殺されないと再生できないのだろう。キュゥべえ本体の生命が保たれたまま凍結すれば、彼とて抵抗は出来ない。

 ほむらの姿が私服に戻る。周囲に倒れていた魔法少女達の服装も元に戻っていく。最初から契約を迫るインキュベーターが居なかったことにされたから、全てが無かったことにされているのだ。

 「こんな事をして……言わなかったかい鹿目まどか、君達下等な人間に生きる術を与えてきたのは僕らインキュベーターだって事を。文明レベルを極限まで落として、裸で洞穴で暮らしながら生きるか死ぬかの狩りをしながら生きていきたいのかい??」
 「人間はそんなに弱くないよ……貴方達なしでも、きっと強く生きていけるから」
 「くっ、絶対に、そんな、事っ……」

 時のゲートも次第に閉じていく。ほむらが開いたゲートはほむらの生死に関わらず開いていてくれるが、ほむらが魔法少女であった事実そのものも時の波に巻き込まれて消えかかっている為だった。

 ワルプルギスの夜も消えていく。始元の魔女は魔法少女より生まれた。ならばその魔法少女の存在がかき消されれば魔女も生きてはいない。

 「ほむらちゃん……幸せな世界で、待ってるからね」
 「まどか……」

 たった一人で、弱い未熟な少女はゲートをくぐる。

 門の中でまどかは今まで繰り返してきた世界の記憶を脳に刻み込まれていた。最初の世界で自分が猫を助けるために魔法少女になったこと、ほむらが自分を救う為に魔法少女になったこと、他にも色々な世界が見える。

 その奔流の中、まどかは光の注ぐ方へと吐き出されて……


 魔法少女まどか☆マギカ
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