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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―勇ましき戦士達―
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「捲く……ことは難しい、です。でも、なんとか……」

「いや。俺に、デュエルをさせてくれ」

 そう、こうなればあの《騎竜》から逃れる術は、俺があの竜に乗っているであろう操舵手に、デュエルで勝利するしかない。リリィもそれを分かっているだろうが、彼女は火炎弾を避けるだけしか行動を取ろうとしない。

「やっぱり、そんなデッキでデュエル、なんて……無謀です。私のせいで、あなたを殺したく、なんて……」

「救世主に誘ってる時点で、そんなことは今更だ」

 他人に死んで欲しくなどあるはずもなく、自らの身を省みずに助け出すために行動する。だが自分には力はないため、その行動とは裏腹に、誰かを救世主として戦わせなくてはならない。そのジレンマがリリィを苦しめている……それぐらいは見てとれた。彼女は戦士を送り出すにしては、優しすぎる性格だと分かった気がする。

「大丈夫。あんたが救世主にしようとしてる奴を、信じてくれ」

 デュエルディスクを展開させ、上空の《騎竜》を見上げながらリリィに力強く言い放つ。こんなところで戦士長でもない相手に負けるようならば、どだい救世主など務まらない、とばかりに。

「分かり……ました。その、頑張って下さい……!」

 火炎弾を撃ってきた瞬間を見計らい、遂にリリィ操る《漆黒の闘竜》が、火炎弾を避けながら上空へと向かって飛翔する。《漆黒の闘竜》も待っていたとばかりに飛び上がり、即座に《騎竜》の上を取った。

 あちらの乗っている竜の方が上位種にもかかわらず、あっさり上空が取れたことを訝しんでいたが、その理由はすぐに分かった。《騎竜》を駆り俺たちを狙っていた、《闇魔界の竜騎士 ダークソード》もデュエルディスクの展開を終わらせていた。最初から敵は、こちらとのデュエルを望んでいたのだ。

 俺も《漆黒の闘竜》に掴まりながらデュエルの準備を完了すると、あちらの竜騎士もニヤリと笑ってデュエルの準備を完了させた。

『デュエル!』

遊矢LP4000
竜騎士LP4000

 こちらから先制攻撃をしたようなシチュエーションだったが、俺のデュエルディスクに表示されたのは後攻。自ら攻めに行くタイプのデッキでもなし、ここは相手のデッキの様子見をさせてもらおう。

「私の先攻。モンスターをセットし、カードを三枚伏せてターンを終了する」

 気取った口調でカードをドローした竜騎士だったが、その布陣は守備一辺倒。合計四枚のカードをセットしてターンを終了し、そのターンを後攻である俺に譲る。

「俺のターン、ドロー!」

 さっきも言ったが、このデッキは自分から攻めにいけるデッキではない……だが、相手のデッキタイプが分からない以上、このままこちらも守備に回るのは危険。俺は《ゴーストリック》シリーズの一体を
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