第十一話 ハーレーの女その十二
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「とにかく一人見つかったわ」
「それ誰だよ」
「二年E組の王衝向日葵さんよ」
「あれっ、その娘って確か」
その名前を聞いてだ、裕香は気付いた顔になって言った。
「弓道部の」
「そう、アイドルのね」
「そうよね、小柄で凄く可愛くて」
「明るくて無邪気な娘でしょ」
「あの娘がなの」
「そうなの、弓道部でね」
菊はまずは戦えるという条件から話した。
「しかもバイクにも乗ってて尚且つね」
「まだあるの?」
「お寺の娘さんだけれど養子なの」
「養子さん、じゃあ」
「そう、自分で言っていたらしいけれど」
「孤児なのね、あの娘も」
「そうらしいわ」
この条件もだ、菊は二人に話した。
「つまりね」
「条件が全部揃ってるわね」
「これだけ条件が揃えばね」
「確実と思っていいわね」
「全部私達と同じだからね」
つまりだ、菊達四人とだというのだ。全ての条件が揃っていた。
「だからね」
「その娘がか」
「そう、力の持ち主と見ていいでしょ」
「そうだよな、じゃあな」
薊はにやりとした感じの笑顔になってだ、そのうえでだった。
裕香と菊にだ、席を立ちつつこう言った。
「早速E組行くか」
「えっ、今から?」
「今から行くの?」
「あれっ、駄目か?」
「いや、早いって思って」
裕香は薊にこう答えた。
「思い立ったらだから」
「そうか?あたしはさ」
「それが普通っていうのね」
「ああ、本当に思い立ったらって人間だからか」
「確かに薊ちゃんはそうね」
「じゃあどうするんだよ、行くかい?」
薊はあらためて裕香と菊に尋ねた。
「その娘のいるE組に」
「そうね、ちょっとびっくりしたけれど」
それでもだとだ、こう答えたのは菊だった。
「あんまりにもすぐだから」
「けれどだよな」
「ええ、それじゃあね」
菊は薊に対して答えた。
「行こう、E組に」
「それじゃあ私も」
二人についていく形でだ、裕香もだった。
そのE組に行くことにした、そしてだった。
三人でそのE組に行った、クラスの中は薊達のいるそれぞれのクラスと変わりはしない。そしてそのクラスの中に。
何人かの女の子が教室の後ろに立って楽しく雑談をしていた、その中にかなり小柄で薄茶色の髪を頭の左右でコロネにして巻いている少女がいた。
目は大きくはっきりとしている、鳶色の瞳が眩しい。
顔は童顔で白い、眉は細く綺麗なカーブを描いている。やや丸い顔の形で身体つきもやや幼い感じである。
制服の色はかなり派手だ、橙色のブレザーにその橙と赤、白と黒のタートンチェックの丈の長いスカートに白と黒のストライブのハイソックスをはいている。ブラウスの色は白でネクタイではなく可愛らしいリボンだ。
その彼女を見てだ、菊が二人に
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