暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
12.ビーター暗殺
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、【大丈夫。アルゴの攻略本だよ。】の表紙が目印、《アルゴの攻略本・第三層ボス編》から抽出。尚、情報はSAOベータテスト時のものです。現行版では変更されている可能性がありますので注意されるべし。







「――という展開になると予想される! いいな、各自号令係の合図はしっかりと守るように!」

 ペクタを出発し第三層迷宮区に到着した俺たちは、その後も特に問題無く最上階のボス部屋の扉の前まで辿り着いた。
 第三層の迷宮区は、巨大な樹木が立ち並ぶ三層の中でも一際巨大な……いや、巨大という形容詞すら生温いほど壮大ともいうべき大木の形状をしている。一層二層のような迷宮区をなしている巨塔が、そのまま木の形になったような出で立ちだ。家が数軒すっぽりと入るほどの幅を持つ太い太い幹が四層のプレート底辺まで伸び、見上げれば山頂を覆う雲のように緑色の広大な傘が掛かっている。
 それを見て、誰かが言った。

「まるで世界樹だ」と。

 その言葉の元が何かは解らなかったが、何故か違和感無くすんなりとはまった気がした。
 大樹の根元の入口から中に入ると、迷宮内は複雑に入り組んだ空洞となっていた。一層二層の通路のような床と壁、天井がはっきりとした四角形の筒状になっている構造ではなく、円筒状の通路となっている。円筒状故、中央が凹み端は傾斜になっている床の構造なので、大勢が列になって進むと、端の方の者は歩きにくい。

 だが流石と言うべきか、例え迷宮区の、他より強力なモンスターが現れたとしても、九十七というプレイヤーたちの物量攻撃によりすぐさま殲滅される。HPが削られても即交替出来る。同じ目的を持ち行動する大勢のプレイヤーに、改めて《数》の凄さを感じさせられた。
 隊列の中心よりも少し後ろに位置する俺たち四人は、一度も戦う事無く、ただ人の流れに身を任せて歩くだけだった。

「――文末に書かれている通り、このボスの情報は絶対ではない! 常に全員、即座に撤退出来るよう心構えだけはしておくように! 攻略も大事だが、一人として犠牲を出させない、それが一番重要だと心に刻んでくれ!」

 鎧を纏ったプレイヤーたちがつくる壁で、先頭で叫ぶ人物の顔は見えないが、その声はここまでよく届いていた。
 現在は、ボスの部屋と思わしき大きな両開きの扉の前、九十人以上がやっと入るくらいの拓けた場所で、休憩を兼ねた最後の作戦会議を行っていた。作戦は、アルゴの攻略本・第三層ボス編の内容が中心だった。この場所まで来る途中で、戦った者もそうでない者も、全員がそれに目を通している。故に、全員が成すべきことは解っていた。

 それほどまでにアルゴの攻略本は微に入り細にわたった。
 ボスの大まかな行動の種類、各行動の初動とそれに対する此方の行動、更には何処にベータ版と正式
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