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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターンEX 鉄砲水と光、光、光
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 一人、また一人と光の結社へ入っていく仲間に不安を覚えながらも、遊野清明は明日の戦いに向けて静かに眠っていた。その寝顔の横に、ちろりと動く影がある。いや、影という言葉ではまだ足りない。薄く月明かりが照らす部屋の中で、その部分にだけは光がない。それは、まさに闇そのもの。
 すやすやと眠ったまま起きない清明のそばをしばらくうろうろしていた闇は、やがて音も立てずにするり(・・・)と窓の隙間から屋根の上へと出て行った。
 人とはかけ離れた姿ながらも、まるでぽっかりと浮かんだ月を見上げるような形になる闇。その体のどこかから、小さな声が響いた。

『あの日起きたことを言ったら、貴方はどう答えるのだろうな………』

 声の主である闇を、人はみなこの名で呼ぶ。地に縛られた呪われし神―――――地縛神 Chacu(チャク) Challhua(チャルア)と。
 なぜ、このような台詞を独白しているのか。それは、少し前にさかのぼる。それは、ユーノが光の結社の手に堕ちる、ほんの少し前の話。





『んー?まーた来たのか、懲りねー奴』

 その日は、きれいな半月が出ていた。そのうすぼんやりとした光に照らされながら、すやすや眠っている清明を尻目にぽつりとユーノが呟いた。

『行くのか?』

 その声に応え、どこからともなく地縛神の声が響く。無論、なんと答えるかなどわかっていた。なのでこれは、質問ではない。ただの確認だ。

『おう。だからその間、また結界頼むわ。万一のことがあっても、全力で何とかしてくれよ?』
『そうなる前に、勝ってきてくれると有難いがな』
「ワハハ、そりゃそうか。んじゃなー」

 ポン、と実体化して地面に降り立ち、本来のこの部屋の主………遊野清明のデュエルディスクを腕に付ける。2、3度腕を振ってしっかり固定されたことを確かめ、彼はいつも通り気楽そうに外に出て行った。その姿がレッド寮からある程度離れたところで、寮の建物自体が青く光る炎にぐるりと囲まれる。その炎は地面を走り回り、やがて巨大なシャチをかたどった姿になった。もし、その様子を上から見る者がいればさぞかし驚いたろう。その姿はまさに、去年一夜のうちに跡形もなく消え去ったナスカの地上絵の姿そのものだったのだから。
 その様子を一切振り返ることなく、ゆっくりと歩くユーノ。レッド寮が立地している崖の上から少し行った先の浜辺で、その足が止まった。すでにそこに立っていた先客に、友人に挨拶するような軽い調子で右手を上げる。

「よう。久しぶりだな富野。まさかまたお前の顔見る羽目になるとはなあ」
「ああ、そうだな。俺だってもう会いたくはなかったけどな、これも仕事だし自分(てめえ)のミスは自分(てめえ)でケリつけないとな」

 一見すると、お互いに口が悪いながら
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