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IS-最強の不良少女-
準備
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もしれません」

「なるほどソイツぁ好都合だ。う……?」

 響がそこまで言ったところで彼女が眉間に皺を寄せた。

「どうやら今回はここまでのようですね。いいですかマスター最後に言わせていただきます。力を使うときは十分お気をつけてください」

 その声が響が聞いた瞬間、響の視界が暗転した。









「う……ん」

 今度は煌びやかな満点の星空ではなく、僅かに月明かりが差し込む寮の自室で目覚めた響はむくりと起き上がった。

「力を使うときは気をつけろ……ねぇ。上等じゃねぇのよ」

 肩を竦めながら笑みを浮かべた響だが、そこで彼女の携帯がなる。

 画面を見ると知らない番号だった。凄まじく嫌な感じがしながらも彼女が電話に出ると、返ってきた言葉は案の定の声だった。

『やっほーびっきー!! おひさー、夏ぶりだねぇ! 元気してる?』

「……相変わらずうるせぇウサギだ」

『うんうん相変わらずびっきーの声はドスが効いててしびれるね!! 時代劇とか仁侠映画とか出たら即主役が張れそうな勢いだよ!! あ、もしそういうことになったら束さんをファン一号として招待してね!!』

「んな予定はねぇよアホンダラ。つーかさっさと用件を言えこっちは早く寝たいんだよ」

 響がそういうと電話の向こうで束が「おっと失礼」などと心にもなさそうな言葉を吐き、軽く咳払いをしたあと楽しげに告げた。

『実はびっきーの夜天月にセカンドシフト機能を導入してみましたーパチパチパチー!! だけどただとは言いません!! セカンドシフトは展開装甲みたいな暗証式じゃなくてびっきーの気持ちがかかわってくるからねん』

「気持ちだぁ?」

『そう! びっきーのある一定の気持ちが最高潮まで達すると自動的に作動するよ! あーでもこれだけ聞くとドイツの子が装備していたVTシステムみたいだねぇ。まぁなんでもいいや、それじゃあ教えたからねーおやすみー』

 束は勝手に電話を切った。

 彼女の意見を聞き終えた響は呆れたようにため息をついた後ニヤッと笑った。

「どんなもんだろうが完璧に扱ってやるよ」




















「ふふん、さぁてびっきーは扱えるかな? 今回はそう簡単にはいかないよ、下手をすれば……死んじゃうかもなぁ。まいっかそのときはその時、所詮はあの子もそれだけの器だったってだけだし」

 本当に楽しそうに笑みを浮かべながら束は暗闇の中で笑った。
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