暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外11話『超ベリーグー』
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 アラバスタには二人の守護神がある。彼らは国を守り、王家の敵を討ち滅ぼす王国の戦士だ。
 ジャッカルのチャカとハヤブサのペル。
 それが、彼らの名。二人ともその二つ名の通り、チャカは動物系悪魔の実、イヌイヌの実モデル『ジャッカル』の能力者で、ペルはトリトリの実モデル『(ファルコン)』の能力者。特にハヤブサのペルは世界にも5種しか確認されていない飛行能力を所持し、王国でも最強の戦士として名高い実力を誇っている。
 そのペルが――

「クラッチ!」

 ――倒れた。

 関節を極められ壊されてしまったことにより彼の意識が刈り取られ、吐血とともに背中から地面と倒れこむ。
 動く気配はない。

「……王国最強の戦士も大したことないわね」
「ペル! そんな! ……ウソよ」

 バロックワークスの社員に囲まれ、絶体絶命のピンチに現れたアラバスタ最強の戦士が、ビビにとって最も信頼のおける顔なじみの戦士ペルがミス・オールサンデーによりいとも簡単に打倒された。
 その事実が、ビビの意気を根こそぎ奪ってしまっていた。
 まさに茫然自失。
 決して容易には認めがたい目の前の現実をただただ酷薄に突きつけられ、それでも倒れて動かないペルの姿がその事実を煽る。

「……」

 声を失いショックのあまり動けないビビへ「さぁ、行きましょうか」と、ミス・オールサンデーは汗ひとつかいてない涼しい顔で歩み寄る。
 ビビにはもうそれに抵抗する気力は「――だーーー、やっと見つけたぞ! ビビ!」
 突如、一人の男が階段扉から現れた。 

「……へ?」
「……ふふ、丁度いいところに」

 ビビが呆然と首を傾げ、ミス・オールサンデーはやはり余裕の笑みを浮かべてその男、ハントの登場にのんびりと反応した。

「……は、ハントさん?」

 もうだめだと思っていたところに現れた突然の味方に、ビビの頭も一瞬では働かないらしい。

「人がうん……大便に行ってる間に集合場所からみんなしていなくなるとかさすがにひどいぞ!」

『うん……』という途中で言葉を止めたのはつい先ほどサンジに怒られたからだろうか。
 いや、それはともかくハントはこの状況を全く理解できていないらしく「俺が見聞色使えなかったらどうするんだよ! あれだぞ! いじめは良くないぞ! 俺はルフィみたいに神経図太くないんだからな!」と愚痴を垂れながら、ミス・オールサンデーの横を抜けてビビの側へと足を運ぶ。

「そもそもだな? 便意を我慢してたのは、別に俺が子供でなかなか言い出せなかったとかじゃなくて――」

 あまりにも場違いな空気を醸すハントに、ミス・オールサンデーはくすくすと小さく笑い、ビビは少し恥ずかしそうに、だが真剣な表情で叫んだ。

「――ハントさん!
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