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少年と女神の物語
『雷鎚を持つ巨人』編
第八十四話
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れを遮る人がいた。

「やっぱり、護堂は学校でもそんな感じなんですか?」
「えっと・・・どちらさま?護堂の女?」
「そんなんじゃないわよ!」

 そう、むきになって否定してきた。

「明日香は、俺の幼馴染なんだよ」

 ふむ、幼馴染、ね。
 創作の中ではたいていそういう関係になるんだけど・・・まあ、おれも恵那とはそんな関係じゃないしな。
 そうでないことも、あるのだろう。

 ただ、護堂だしな・・・そういう関係のほうが、違和感がないんだけど。

「それは失礼しました。はじめまして」
「あ・・・はじめまして。あたしは徳永明日香です。神代武双さん・・・でしたっけ?」
「何で俺の名前を?」
「さっき、生徒会の劇を見てきたんです。神代さん、ロミオ役やってましたよね?」

 なるほど、それなら知っていてもおかしくはない。

「見られてたのか・・・少し恥ずかしいな・・・」
「すごい演技だったと思いますよ?最後のキスシーンは、本当にやっているようにしか見えませんでした」
「あー・・・それならよかったよ、うん」

 俺は、苦笑いでそう答えることしかできなかった。
 何せ、そのキスシーンはがちなんだから・・・

 考えるのはよそう、うん。本当にキスしていたとは、露ほども思ってないみたいだし。

「あ、そうだ。年も変わらないだろうし、名前で呼んでくれないか?俺兄妹(姉弟)が多いから、名字で呼ばれるのには慣れてないんだよ・・・」
「あー・・・うん、分かった」
「よろしく。俺も、もう面倒だからこんな感じで行くので」
「それなら、あたしもこんな感じで行かせてもらうわ。それで、護堂はやっぱり・・・」
「な、なあ!結局、この人だかりは何なんだ!?」

 次は護堂が重ねてきた。

「さあ?予想はつくけど、俺は知らない。それと・・・護堂のその辺りについては、現在生徒会で保護観察処分中だ」
「護堂、あんた!」
「俺も初耳だよ!」

 さて、そろそろ遊ぶのはやめるか。

「まあ何にしても、この人だかりはどうにかしないと通行とかの邪魔になるよな。生徒会だし、何とかしないと・・・四人も来るか?」

 俺は四人を誘って、人ごみをぐるっと回ってその先にたどり着く。
 そこには・・・

「あ、ムーくーん!こっちこっち!」

 林姉が最初にこっちに気付き、その周りにはほかの姉妹も全員揃っていた。
 コスプレ姿で。

「・・・ねえ、武双さん?あたしにはどうにも、あなたが護堂以上の問題児に見えるんだけど・・・」
「失礼だな。あの集まりが、さっき言ってた俺の家族だよ・・・護堂、説明任せた」

 説明をしてからあのメンバーの相手をするのもなかなかに疲れるので、丸投げしてから集まっているところに向かう
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