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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross world〜
cross world:交角
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しさや憐れみなど一切感じさせない声で言った。

「……哀れな存在だな、おまえ」

思わず零れ落ちたその言葉に反応したか、それとも何のアクションも起こさないこちらに我慢の限界が来たのか、はたまた単に思考シークエンスが《観察》から《攻撃》にでも移ったか。

無音の咆哮とともに、紅衣の少年の姿をしたモノが、人外の速度と人外の力をもってして襲い来る。
音を聴いてからでは、とてもではないが間に合う次元ではない。

だが、ソレイユは大気を切り裂く感じをつかみ、全力で翅を震わせ、上空へと緊急非難する。暴力的で抗いがたいGが押しつぶそうと襲ってくるが、それを強引に無視して膝を折る。

冷や汗がソレイユの背中をつたう。

今のが恐らく、マイの言っていた鋼糸(ワイヤー)なのだろうか。

聞くとみるとでは全くの別物だな、とソレイユは思った。厄介さでいえば、これまで出会ってきた強者たち―――シリウスやベガなどなど―――を上回る“かも”しれない。

まず厄介なのは、その不可視性。

要するに、見えないのだ。

ただでさえ超が付くほどに細い糸が、しかも切断属性が付いて高速で振り回されている。したがって、安易に視覚に頼れば即死は必至。だが、ソレイユは不可視のものに対しての対抗は持っているし、どのような武器なのかははっきりとしているので、もはやアドバンテージの一つは潰している。

そして、次に嫌な点が、その軟性。

糸なのだから当然のように曲がる。すると曲がった先はどうなるか。

当然のように、受け止めた点を基点として自分の首を刎ね飛ばすだろう。ピンッと張りつめているものなら簡単に斬れるのだが、糸とは常に張りつめているわけではない。

つまり、生半可な防御は不可。

軌道を逸らすなど、いくつか候補は上げられるのだが、それにしたって高い集中力が求められる。刀の軌道と鋼糸の軌道を逸らすのとでは、文字通り次元が違う。

よって回避が一番ローリスクなのだが、それを続けていると、鋼糸そのものが中距離戦用のためにどうしても防戦一方にならざるを得ない。

唯一の活路は、ワイヤーが振り抜かれた直後。

いくら厄介極まりない武器としても、どこかが尖っていれば、必ず死角(じゃくてん)と言うべきものは存在する。

あれは、例えるならば距離を測るメジャーのように、ワンアクションごとに本体と思しき黒いはんぺんみたいなものに巻き取られていく。ならばその巻き取り時間から再射出までの間隙は、あの少年にとっては死角そのものではなかろうか。

なぜなら、何の攻撃動作もできないのだから。

しかし、ここにもまた不確定因子が絡んでいると考えざるを得ない。

心意。

意志の力などという、ふざけたものから生み出されるその力は、はっきりいっ
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