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少年と女神の物語
第八十三話
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「い、いえ、それについてはお気になさらず・・・イヤではないですし」
「そ、それならよかったです・・・初めてだったので・・・」

 このあたり、家族とは違うと思うけど・・・うん、なんかなぁ・・・
 くすぐったいというか、なんと言うか・・・

「その・・・それなら、父が言っていたことも考えてみてください」
「・・・梅先輩は、それで?」
「・・・そうなったらいいな、とは思っています」

 そこで、偶に一緒に帰る際に別れる道についた。

「そう、なんですね・・・」
「はい。私の気持ちは、前にも話したとおりですから」

 そして、梅先輩は真っ赤になった顔を上げ、同様に真っ赤になっているであろう俺の顔を正面から見てくる。

「前にも言ったように、私はまた改めて告白します。その時も、返事を急いでもらうつもりはありません」

 ですが、と梅先輩は続ける。

「答える際には、父が話していた件まで考えてください。・・・スイマセン、重くなってしまって」
「いえ・・・でも、そうですね。分かりました。・・・間違いなく、すぐには返事が出来ないと思いますけど・・・」

 最後に情けなくなってしまったが、梅先輩は笑ってくれた。

「それでもいいんです。私は、武双君のそう言う初心な所も好きなんですから」

 そう言って、梅先輩は自分の家に向かって歩いていく。
 やっぱり、年上なんだよなぁ・・・どうしましょうか。



◇◆◇◆◇



「ただいまー」
「ん、ああ武双君か。おかえりだ」

 家に帰ったら、ナーシャが出迎えてくれた。
 あれ?他のみんなは?

「他の人たちは、材料を買いに行くといってたな。夕飯を作らないといけないからボクだけ残ったが」
「材料・・・?一体何の・・・」
「それについては、まあ当日をお楽しみに、だな。・・・いや、絶対に見るな」

 なぜか念押しをして、ナーシャは奥に向かって歩いていった。

「・・・なあ、何をしようとしてるんだ?」
「聞くな。ボクは何が何でも回避するつもりなんだ」

 何か強い意志を感じて、俺は何も聞けなくなった。

「・・・ああ、そうだ。武双君、槌の類は作れるかい?」
「槌・・・?ああ、ハンマーか。立派な武器だし、作れるけど」

 そう言いながら、手元に作って見せる。
 と言っても、初めて作るからこれくらいのサイズがいいのか悪いのか、全く分からないけど。

「もう少し小さめ・・・重さはこのくらいでいいか。そう言うものは造れるかい?」
「あー・・・こんな感じ、かな?」

 そう言って新しく渡すと、ナーシャは一つ大きく頷いた。

「ありがとう。そういえばまだ武器は持っていなかったことを思い出した」
「今更だな。まあ、ナーシャ
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