暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
決闘-ファイト-
[1/15]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「やっちまった…!」
いくらムカついていたからって女の子相手に言い過ぎたかもしれない。この世界に来てからの苛立ちと鬱憤を一気にすべて吐き出したサイトは反省していた。いくらあいつの仕打ちが酷いからって、女の子に向かってあそこまで言ってしまってよかったのか、自己嫌悪に陥っていた。それに、今はある意味もっと重要なことがある。
「腹減ったな…」
そう。この腹減りをどうしのぐかだ。ぐーぐー鳴る自分の腹を抑えながら、サイトは唸った。
「サイトさん、どうしたんですか?」
ちょうどそこで、タイミングよくシエスタが現れた。
「ああシエスタ。実は今、腹減っちゃってて…」
「そうなんですか?だったら厨房に来ません?賄い食がまだあったと思うので」
彼女は学院の校庭の端に建てられていた二階建ての小屋へ案内する。そこがこの学院の厨房だった。
厨房で用意された賄食だが、その味はとても絶品だった。これらは生徒たちが食事で残したものだと言っていたが、こんなものを残した生徒たちの舌を疑いたくなった。

「まいううううううううう!!!」

もう地球ではだいぶ前に流行って忘れられつつある言葉で、喜びを表すサイト。リスのように口に食べ物を詰め込んでる辺り、相当の感激だったらしい。
「それにしてもサイトさん、ミス・ヴァリエールからご飯貰えなかったのですか?」
「固いパンだったよ。どうせ昼もそんなだろうから…」
「大丈夫なんですか!?貴族の方にそのような態度で…」
不安げに尋ねるシエスタだったが、サイトはルイズの他人への態度とは思えない行いを思い出して憤慨した。
「貴族がなんだよ。魔法が使えるからとか身分が高いからって威張りやがって!」
昨日の夜からサイトは苛立ちの境地だった。クール星人に誘拐されかけて命が助かったまではよかった。だが、見知らぬ場所にいきなり呼び出され、謝りもせず藁で寝かして、朝食は固いパンにまずいスープ?誰だって嫌になるだろ!とブツブツ言いながら。
「す…すごい!サイトさん勇気あるんですね。貴族に媚びたりへつらったりしない立派な姿勢。
尊敬しますわ!」
「い、いやぁそれほどでも…」
シエスタの言葉は決してお世辞ではなかった。憧れに近い眼差しでサイトを見ている。
サイトの言葉を聞いたシエスタは尊敬の眼差しで彼を見つめながら褒め称えると、サイトは照れながらも謙遜の言葉を口にした。
「ですがほとんどの方が魔法主義の方です。中にはオスマン学院長のような、平民や貴族関係なく皆を公平に扱う立派な貴族もいますけど…」
彼女が言うにはこの学園の長たるオールド・オスマンは平民にも良くしてくれる人物らしかった。サイトはその人物に興味を抱く。
「ミス・ヴァリエールもそういった、敬られるに相応しい立派な貴族になろうとしているんだと思いますよ。実際、私はあの
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ