暁 〜小説投稿サイト〜
少年と女神の物語
『ちょこっと日常』A
第八十話
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か、あの権能でそこまで出来るとは・・・」
「鈴も驚いてます。正直、夢じゃないかとも思ってます」

 それは、そうだろう。
 呪力を溜め込めるか否かは、生まれつき決まっているもの。
 トトみたいな例外でもなければ、それが変わるなんて事・・・

「でも、そうじゃないんですよね。父によると、成長の見込みもあるみたいです」
「そうなんですか。それは・・・よかったですね」
「はい。これで、父や母のためにも頑張れますから。家も、継げるように頑張ります」

 そう言っている庶務さんの顔は、やる気に満ち溢れていた。
 そういえば、庶務さんのところは一人っ子だったか・・・なら、まあ。

「カンピオーネの権能が純粋に人を助けた。・・・こんなこと、世界初なんじゃないですかね?」
「かも知れませんね。王様達の権能は、どれもこれも被害をもたらすことが多いですから」

 でも、今回はそんなものは一切ない。
 ただ庶務さん一人に、影響を及ぼしただけだ。
 だとしたら・・・うん。

「それなら、俺も嬉しいです。おめでとう、鈴」

 俺が一度、生徒会ではなく一友人としての口調で言うと、鈴も笑って、

「はい・・・ありがとうございます、武双さん」

 そう、返してくれた。

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