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ロウきゅーぶ 〜Shiny−Frappe・真夏に咲く大輪の花〜
Eight
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らさない。ちゃんと見るんだ。かつての業に、身勝手な自分に。

 「今まで、本当にごめんなさい。すばるんの気持ちも考えずひどいことばっかり言って……許してもらえるとは思ってない、だけど……もしそれが叶うなら、償わせてほs」
 「真帆」
 「っ……はいっ!!!!」

 もう逃げないと決めた。すばるんの強い瞳を見つめ返す。もう、目は逸らさない。

 「ずっと……言えずにいた。いなくなってごめん、ずっと音沙汰もなく放置してごめん……」


 「約束、ずっとバスケ教えるって約束……破って、本当にごめんなさい」
 「すばるん……っ、ううっ……ぁぁああぁああああああああーーーーーーっ!!!!!!!!!」

 同じ事を思っていたのか、自分もすばるんも。お互いがお互いから目を背けて距離が遠ざかるままになっていた状況を打開したくてそれでも動けずにいたのか。
 そこには恥も外聞もなかった。ただただ幼い少女のように、大きな胸の中で涙を落として喚き散らした。

 「ほん、どにぃっ……ごめ゛ん、なざい゛ぃぃっ……んぐっ、えぐっ、ひぃんっ、んふっ……」
 「……………」

 静かに慟哭だけが反響する。閑散とした体育館に、ぐずる音と嗚咽が寂しく鳴るだけ。
 そう言えば、前に硯谷女学園に遠征に行ったときも。私がショックで逃げ出した時もすばるんは私を散々追い回して見つけてくれた。私が悪いのに謝ってくれた。全てはバスケを知らない私達が絶望しないで、バスケを精一杯楽しめるように気を使ってくれたからだったのに。

 「俺のせいで、バスケ……嫌いになったんじゃないかって」
 「……バスケ、楽しーもん。やめるわけ、ないじゃん」

 あの時と同じ言葉をぶつけた。認めたくなかったが、自分はどんなに腐っても、根源に根付いたバスケを愛する気持ちだけには嘘がつけなかったらしい。

 「……良かった。すごく、嬉しい」
 「だから……みんなっ!!! もう一度、お願いしますっ!!!!!!」

 「うんっ!!!」
 「……しゃーない」
 「やるかっ……!」
 「勿論だよっ!!」
 「にゅふふ、まとまったみたいだね!?」
 「ああ、それじゃあ、行くぜっ!!!!」


 円陣を組む。二度とほどけないくらい固く。私の反対側にはすばるんがいて。周りを見ればみんながいる。

 「「「「「「「おおおっ!!!!!!!!!」」」」」」」
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