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宇宙を駆ける一角獣 無限航路二次小説
第三章 二話 スカーバレル幹部総会
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スカーバレル本拠地 人工惑星ファズ・マティ

エルメッツァ中央宙域の辺境、メテオストームという天然の防壁に守られた人工惑星ファズ・マティにエルメッツァ各地に散っていた宇宙海賊スカーバレルの幹部達が手下の艦隊を率いて続々と終結しつつあった。
その顔ぶれは、エルメッツァの保安担当部隊が見れば卒倒は確実と言えるほど極悪犯罪者達で埋め尽くされている。
罪状は殺人に始まり窃盗、強姦、誘拐、公的施設の不法占拠などなど多岐に渡る。
そんなある意味そうそうたる顔触れの中に、一際目立つ二人の男がいた。
一人は筋骨隆々のゴツい男。もう一人はその相方とは対照的にヒョロヒョロとした感じの男である。
ゴツい方が【ドミニコ・ルース】。ヒョロい方が【キト】。白野とギリアスとワレンプス大佐の三人によって完膚無きまでに叩きのめされたネージリンス方面のスカーバレル海賊団唯一の生き残りである。もっとも実力というよりは運によって生き残ったというほうが正解なのだが、運も実力の内という結果論を用いるのならばユニコーンから逃げた延びた数少ない海賊のうちの一つにカウントされることになるだろう。
あの後この二人はワレンプス大佐の敷いた厳重な警戒網を運と実力と勘とで突破し、白野達と似たり寄ったりのルートでこのエルメッツァ中央へと逃げ込んで来たのである。

「いやーそれにしても壮観でゲスね〜親ビン」

ドミニコの腰巾着であるキトはファズ・マティのドックを見て感嘆の声を漏らす。それもそのはず、ファズ・マティに集まって来たスカーバレルの幹部達は他の幹部への見栄もあって統制可能な艦船は全て連れて来たのである。
ドックにはスカーバレルでもっともポピュラーなジャンゴ、フランコ水雷艦を手始めに実力派の愛用するオル・ドーネ級巡洋艦や幹部仕様のゲル・ドーネ級、果てはカルバライヤの重巡洋艦バゥズ級まである。

「まったくだ。やっぱり俺たちスカーバレルは最強だな!」

「そうでゲスね、親ビン」

ある意味幸せな連中と言えるだろう。



人工惑星ファズ・マティ アルゴン・ナバラスカの広間

スカーバレルの幹部が一人、アルゴン・ナバラスカは義兄弟たるやはりスカーバレルの幹部のバルフォスや他の幹部達と酒を飲み交わしつつ今後の展望について討議する…というよりも互いの願望をやり取りしていた。
もとより一枚岩などという状態からは程遠い海賊達である。しかも深刻な脅威にさらされたわけでもなく、エルメッツァ政府軍は依然として骨抜き状態であるため彼らの注意喚起を促すような要素は何も…

「ときにバルフォス。我が手下の間に不愉快な噂が流れているのは知っているか」

酒を飲むバルフォスに語り掛けたのは一同の中でも最年長と思われる白髪の老人である。座っている席が上座であることからこの
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