暁 〜小説投稿サイト〜
魔法構築体マテリアル!?
第一話
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
のだろう。マルチタスクを五つほど行使して考える。
 我が闇の力は……。
 ダメだ、痛すぎる。
 あのような塵芥、取るに足らない。
 さっきシュテルが強敵と言った。そんなことを言ったら彼女がどう思うか。
 うんうんと唸って、考えに考えて、結局フールが出した答えは……。

「俺が……私が、貴方の臣下だからです」

 放棄だった。もうなに考えてもしゃーねーや、と。
 だから何も考えず感情のままに言ってみた。するとこのような言葉がスルリと出てきた。

「……うむ、そうか。次の戦では期待しておこう」

 しかし本人の心配とは他所に、ディアーチェは満足げに頷く。どうやら彼の答えがお気に召したらしい。
 ――自覚していないが、彼が今こうしてこの場にいるのもディアーチェという王がいるから、というのが大部分を占める。いくらマテリアルの構築体としての戦闘データがあるとはいえ、精神はただの一般人(普通に人を殺すことができている時点で一般人とは言い難いが)。それなのに、これから戦争というのに逃げ出さずこの場にいるのは、安心できる存在――ディアーチェがすぐ側にいるからだろう。彼が思っているよりも、彼女の王としての器に惚れ込んでいるということだろうか……。

「あー! フーくんばっかりズルい! ボクだってそのなぎ・ずぷりんくふぃーんどって奴に勝ってみせるもんね!」

「ナギ・スプリングフィールドです、レヴィ」

「そう言えば、その方とレヴィは似てますね。色々と」

 ユーリの言葉にシュテルとディアーチェは頭の中にナギとレヴィの相対図が組み立てられる。
 性格、共に楽天家。悪く言うとおバカ。戦闘スタイルは遠近共にゴリ押しで雷を使う。そして度々単独で突撃する傾向あり。
 怖いぐらいに一致しており、二人揃って苦笑い。

「二人をぶつけるのも面白そうですが、今回はそうもいきません」

「えー!? なんでなんでー!?」

「レヴィ。戦いで大事な何よりも戦略です。如何に個人の力が強かろうと、大局での勝利には何ら影響を及ぼさないのです――では、今回のグレートブリッジ防衛作戦の概要を説明します」

 

 ある日、散歩に出ていたフールが捕らえた敵の諜報から得た情報から、急遽このような作戦が立てられた。連合軍の大規模転移魔法を使ったグレートブリッジ奪還作戦。そしてそれに参加する紅き翼。この二つが諜報から得ることができた情報だ。
 もしもフールが偶然この者をとらえることができなかったら、この作戦自体立てられず、あっという間に敵にグレートブリッジを奪還されていただろう。しかしその前に知ることができた。帝国の王はフールに感謝し、軍関係者からも頭を下げられたものだ。

 閑話休題。
 
 今回ダーク・マテリアルズたちに与えられた仕事
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ