暁 〜小説投稿サイト〜
とらっぷ&だんじょん!
第二部 vs.にんげん!
第20話 つみのろうごく!
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出られない。
 (にび)色の雲の下、酒場がうるさい。何かの騒ぎが扉の向こうで起こっているようだ。
 五人は顔を見合わせた。
「おい、どうした――」
 フォルクマイヤーが扉を開ける。酒場の人いきれより酒の臭いより、まず喧騒が溢れてくる。
 怒りと嘆きと混乱。それが喧騒を構成する要素だった。
「見てみろよ、フォルクマイヤー! この壁新聞、やっと来たと思ったら――! ふざけてやがる!」
 肩で人を押しのけるように、フォルクマイヤーが中に入っていく。続こうとしたウェルドの肩を、オンベルトが掴んだ。
「待て。君は入らない方がいい」
 理由がわかるだけに、従うほかない。イヴとオルフェウスも、ウェルドと一緒に外で待ってくれた。
「何てこった」
 冴えない顔でフォルクマイヤーが酒場から出てきた。
「どうした? 壁新聞に何が書かれていたんだ」
「悪夢だよ」
 彼はよほど言いたくない様子だった。目を泳がせ、腕組みし、降り注ぐ雪を注視し、何も言わずにいる口実を探している。だが、四人が沈黙によって促すと、仕方なく口を開いた。
「外界に魔物の大群が出現して、暴れまわっているらしい。俺達の故郷は地獄だよ」




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