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ロウきゅーぶ 〜Shiny−Frappe・真夏に咲く大輪の花〜
Three
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「てか何だよその服、袖が余ってんじゃないか。何か、自分の小ささを棚に上げて見栄でも張ったか?」
「ボクの身体のサイズじゃ胸が大きくて入りきらないんだ。この年齢にもなって未だにすっとん共和国のキミには未来永劫分からないだろうが」
「言いやがったな……」

どうやら会えない4年間が色々変えてしまったらしい。純朴なヒナを返してくれ。などと思っていると、また誰か入ってきやがった。

「まあ今日はボクだけ来てるわけじゃないんだが……」
「久しぶりだな、真帆」
「ナツヒっ……そうか、そう言う事かよ。そこがくっついてたなんて全然知らなかった」

竹中夏陽(タケナカナツヒ)、かつては何やかんやで何時も喧嘩していた喧嘩仲間だ。だが幼き日の彼とはまるで違う。大人びていて背も高い。声も低くて、その隣にいるヒナの父か何かに見えてしまう。

「まあ、色々あったからね……とりあえず手短に用件を言わせて貰おうか」
「なんだよ、何かあんのか?」
「硯谷女学園と慧心学園の親善試合がね。ついでに、あの時の雪辱を晴らしたいとの要請が藍田未有(アイダミユ)から来た。どうせなら、親善試合の日にやりたいらしい」
「あのちびリボン……それで……私にその試合参加しろってのか?」
「ついでに慧心の後輩たちにも色々指導してやって欲しいと、我らが恩師の要望だ」
「にゅふふ、そう言う事なのだよ。別にあんたんとこ来月末まで暇だろ、愛莉からOK貰ってるし、大学でもなお続けて……」

駄目だ、話にならない。私は踵を返した。ちょっと待てよ……そんな声が聞こえた気がするがどうでも良い。知らないわけじゃないだろうあんた達、よくいけしゃあしゃあとそんな事が……

「また逃げるのかい?」
「……ヒナ、今何つった?」
「また逃げるのかいって言ったんだ」
「はん、高校入ってすぐバスケ辞めたあんたに言われたくないね!!!!」
「それでもキミよりましだと思うけどね……何なら、勝負するかい?」

あからさまな挑発だった。それに乗ってしまった自分が悪いのだが。だがひなたが中学卒業と同時にバスケも卒業したのは本当の話だ。
そんな奴に……確かに悪いのは自分だが、それをまた蒸し返されるなど死んでもごめんだ……!!!!

「折角広いコートを使えるんだ。時間は1分、それまでにボールをボクから奪ってゴールにシュート出来たら勝ちだよ。何せ、敵に体当たりでぶつかって活路を見出す、それがPFの役目だろう?」

バスケットボールを持ちコートの真ん中に歩いて行くひなた。袖ダボダボで胸きつきつ(少々許し難い面ではある)、おおよそスポーツ向きではない服装で、一分も時間をくれるなんて舐め過ぎにも程がある。

「10秒でけりをつける」
「面白い……やってみ
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