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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―振り子の担い手―
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踏みするように観察してくる。……いや、目の前にいる敵は《闇魔界の戦士》ではない。戦士よりも豪華な鎧、戦士よりも強者たる佇まい、戦士よりも目立つ気配――あらゆることで戦士より格上の存在。

 俺たちの世界のモンスター名で言うならば、《闇魔界の戦士長 ダークソード》。戦士たちを束ねる長にして、ダークソード系列における最新・最強のモンスターである。

 オーラからして、ただの戦士であったオルネッラとは違う戦士長を前に、俺は……その岩場から入り組んだ路地に飛び降りた。早い話が逃げたのだ。

「なるほど、良い手だな」

 いきなり敵前逃亡をした俺を見逃してくれる、ということはなく、戦士長は悠然と岩場を飛び移って俺のことを追い詰める。俺も狭いところから狭いところへ、出来るだけ見失うように逃げているものの、これは振り切れそうにない……!

「ふん!」

 それでも全力疾走で逃げていた俺に易々と追いつき、戦士長も岩場から路地裏の俺の前へと飛び降りてくる。敵の方が勝手知ったる場所で、かつ敵の方が足が速いのだ、この結果は当然だろう。……だが、先程の隠れ家から離れることは出来た。

「まずは君を、デュエルで拘束させてもらう」

 どことなく礼儀さすら感じさせる、老紳士のような口調で戦士長はデュエルディスクを展開する。口調は老人のようではあるが、こちらも油断はせずに息を整えつつデュエルディスクを展開する。

 ……ここまで戦士長を誘き出すのが、俺に出来るリリィへの、最大の恩返し。もちろん、あそこでデュエルをしていれば目立ちすぎる、という理由もあるが……今は関係がないことだ。今関係があることは一つ、戦士長とのデュエルに関することのみ……!

『デュエル!』

遊矢LP4000
戦士長LP4000

「俺の先攻!」

 リリィからの借り物のデュエルディスクが、俺に先攻だということを表示する。先攻にドローすることは出来ないが。

「俺はモンスターをセット、さらにカードを二枚伏せてターンエンド!」

 同じくリリィから借りたこのデッキとしては、安定した初手の布陣。自分から攻撃しないデッキはあまり得意ではないが、守りに入るデッキとしては、なかなかの手札だった。

「私のターン、ドロー……」

 リリィのデッキのことよりも重要なのは戦士長のデッキ。……さらに言うならば、オルネッラのデッキに投入されていた、『ペンデュラム召喚』のことである。

 二枚のカードから手札のモンスターを一度に特殊召喚する、こちらの世界にはなかった未知の召喚方法。オルネッラはあまり使いこなせてはいなかったが、その召喚方法が脅威なことには違いない。出来ることならば、戦士長に使われる前に決着をつけたいところだが……

「私はまず、そうだな。コレを使
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