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少年と女神の物語
第六十九話
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る。

「ベスト、ということはそれは出来そうに無い、と?」
「まあ、ね。リズ姉はさ、孫悟空・・・西遊記についてどれくらい知ってる?」
「そうだな・・・西遊記は、一通り読んだ。孫悟空については、戦士の権能が使えるだろうくらいだな」

 うん、たまにこの人の知識量が驚きを超えるくらいになる。
 まあ、それについては気にしなくてもいいか。

「なら分かると思うけど、孫悟空が呼び出せてもおかしくない存在は、かなりの量がいるだろ?」
「ああ・・・猪八戒、沙悟浄の弟分に、牛魔王を初めとする天界に喧嘩を売ったときの六人。それと、立場は逆だが三蔵法師も呼び出せる可能性があるな」
「そういうこと。その中の一柱でも呼び出されたら、一気に勝ち目が薄くなる。・・・一人で複数神と戦うとか、本気できつい・・」
「実行したヤツが言うと、説得力があるな。・・・つまり、こういうことか?」

 リズ姉は一度箸をおき、今回の作戦のまとめを語りだした。

「今回、万里谷ひかりの件があって面倒だから、孫悟空との戦いは出来る限り避ける。ただし、草薙護堂に何かあった場合は例外」
「まあ、そうなるな」

 護堂に何かあったなら、孫悟空の相手は俺が引き継ぐ。
 倒れていて何も出来なかったやつになら、何を言われてもなんとも思わない。

「で、他の参戦条件としては孫悟空が他の神を呼んだ、又は関係のない神が顕現してきた場合、ということだな?」
「うん、そうなる。今、日本に自由に動けるカンピオーネは俺と護堂だけだし」

 じきに翠蓮も出てきそうだけど、それまでは二人だけ。
 そうである以上は、今動けるメンバーで動くのがベストだろう。

「そう言うわけだから、戦うことになったら手伝ってもらっても?」
「まあ、出来る範囲で、だがな。私は、家族の中でも中々に武双の手伝いが出来ない類の人間だ」

 そうして夕食を終え、

「あ・・・着信だ」

 俺は、携帯に連絡が入ったのでログハウスを出て電話に出た。

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