暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第4話 「揃う少女達」
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ものを食べたいと思うのは当然だろう。
 それにディアーチェは長期間滞在するつもりはないはずだ。レーネさんにしてあげたいことや話したいことはたくさんあるだろうから、できる限り彼女の気持ちを尊重したい。俺は彼女よりもレーネさんとは顔を合わせる時間があるのだから。
 シャワーを浴び終わりリビングへ向かっているとインターホンが鳴った。おそらくシュテルが来たのだろう。髪の毛をタオルで乾かしながら玄関へと向かって扉を開けた。その瞬間――

「マスタぁぁッ!」

 ――大声と共に金色の閃光が迫ってきた。顔面に向かってきたため、反射的に避けてしまったのは仕方がないだろう。視線を後ろへ向けると、泣きそうなファラが空中に静止していた。

「うぅ……マスターが避けた」

 いや避けるだろ。顔面に何か向かってきたら誰だって避けるものだろ。どこか抜けた一面がある高町だったら直撃するかもしれないけど。
 色々と思うところがあったが、ここでそれを言えば泣きかねない。俺はゆっくりファラに近づき、彼女の頭を撫でながら口を開いた。

「いきなりだったから驚いたんだ。おかえり」
「……うん、ただいま」

 ファラは一度頬に引っ付いた後、俺の肩に座った。
 ふと思ったが、ファラと一緒に来たであろうシュテルの相手をしていない。彼女の性格を考えると、すぐに相手をしないとからかってくるはずだ。

「久しぶりですね」
「あ、あぁ……」
「何やら反応が鈍いようですが……」

 つい半年ほど前まで衣服に興味なさげだったシュテルがおしゃれをしていた、から戸惑ったのではない。彼女の後ろに見知らぬ人間が2人居たからだ。しかもひとりは妙にハイテンションで周囲を見渡している。
 俺の視線で気が付いたのか、シュテルは声を上げながら一度振り返り再びこちらへ顔を向けた。

「彼女達は私の友人なのですが、すみません。レーネに会いたいと言われたもので」
「こんにちわ! いや、おはようなのかな? まあどっちでもいいや。ボクはレヴィ・ラッセル!」

 ころころと表情を変え、最後は決めポーズを取りながら名乗った少女は、知り合いの少女フェイト・テスタロッサに瓜二つだ。
 シュテルといい、ディアーチェといい、この少女といい……なぜ知り合いにそっくりな人間と頻繁に会うのだろうか。

「レヴィ、うるさいです」
「えぇ!? シュテるんが元気良く挨拶をしろって言ったんじゃん!」
「元気良く挨拶するのと無意味に大声を出すのは違います」

 シュテルの返しにテスタロッサ……いやフェイトに似た少女はがっくりと項垂れた。出会って間もないが、ここまでの言動からフェイトとは容姿以外は似ていないと思う。髪色も青色と彼女とはかなり違うため、間違えることはまずないだろう。
 シュテルが前に言
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