暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
いざ、出陣〜
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・・・俺は馬に乗り、呼吸を整えていた。二度と味わいたくはないが・・・懐かしい、戦場の張り詰めた空気。


「慣れたもんだな、俺も・・・」

小さく笑うと、明命が隣にやって来る。

「亮、久しぶりの乗馬で大丈夫ですか?」

「明命こそ。ブランクはお互い様だろ?」

「そうですね。長すぎるブランクですが・・・」

「ああ、丁度いいハンデ・・・だろ?」

「ええ」

「・・・」

ふと振り向くと椿やシリカ、サチもいた。

「三人とも、馬は平気か?」

「う、うん。不安だけど・・・取りあえずは平気だよ、お父様!」

「大人しい子でよかったです・・・」

「えっと・・・」

サチの片方瞳の色が変わる。

「大丈夫だよサチ。いざとなったら飛べばオッケー!」

「い、いいのかなぁ」

端から見ると独り言だなぁ・・・

ピピッ

『みなさん、配置に付きましたか?』

「こちら亮。準備完了だよ」

『あいよ、咲も準備完了っと』


俺と咲がユイに返事を返してからみんなが次々に報告する。

『狙撃班のお二人もいいですか?』

『・・・ええ、問題ないわ』

『久々に狙い撃つとしますか』


シノンと知也が援護役のようだ。

『諸葛亮さん、なにか指示はありますか?』

『は、はい!すみませんが、最初は各自の判断で動いてください。皆さんからの報告を受け、そこから策を展開していきます』

『御意。朱里、雛里。お前達の力を見せてやれ』

『期待してるぜ!ま、指示が出る前にアタシ達が終わらせるかもしれないけどな』

『あらあら』

『翠の意見に賛成なのだ!朱里達が考えるまでもないのだ!』

『ええい、そんな簡単にいくか!』

『あ、愛紗ちゃん落ち着いて!』

蜀の賑やかな会話。だが次の瞬間・・・空気が変わった。

『っ・・・!みなさん!新たに反応が現れました!東の方向です!』


「東・・・近い!」

俺は位置を合わせてから叫ぶ。

「いくぞみんな!戦いの始まりだ!!」

『オオオオオ!!』

馬を走らせ、群れを視認する。



「あれは・・・!」

こちらと同じように武器を持ち、鎧を着ている・・・が、所謂“和”の軍だった。

「覚悟しろ!」

相手の先頭の馬に乗った兵が突っ込んでくる。俺は慌てずに身を捻ってかわし・・・擬音を振り抜く。

ズシャア

ビチャア


「・・・え?」

身体に血が降りかかる。しかも今の感触・・・

「本・・・物・・・!?」

「ひっ・・・」

シリカとサチが息を呑む。・・・悲鳴を上げる余裕もないらしい。俺は急いで通信機を指で抑える。


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