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我が剣は愛する者の為に
とある村での出会い。
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を引きつりながら、寝る事にする。
こんな風に熟睡できるのも残り少ないかもしれない。
次の日の朝。
馬に荷物を載せて、歩きながら旅をする。

「師匠、次はどこを目指しているですか?」

「いや、特に決めていない。
 地図を見ながら、一周しようと考えている。」

それってかなりの日数がかかると思うんだが。

「端から端を行く訳ではない。
 既にこの世の中がどうなっていて、これからどうすべきなのか。
 お前は既に見えていると思うんだが。」

その言葉を聞いて呆気にとられる。
師匠は俺が考えていた事を読んでいたらしい。

「はい。
 俺がやるべき事は決まっています。」

「一応、ある程度は回るつもりだ。
 2年懸けて回り、それから本格的な修行に入る。」

ついに明確に師匠が修行について話してくれた。
今まではいつから始めるか聞いても、教えてくれなかった。
あと2年。
この2年で少しでも強くならないといけないな。
それから数日が経った。
路銀に関しては師匠が懸賞金などで賊を討伐して稼いでいる。
宿では基本泊まらないので、食費だけなのだが、食事も俺も師匠も大食いってほど食べないのでそれほどかからない。
なので一回の懸賞金で結構やっていける。
師匠が出払っている間は素振りや筋トレなど自分が出来る範囲でトレーニングしている。
生まれというのは凄いと思う。
前の世界では剣道で日本一になったけど、これほど筋トレなどはしなかった。
別に慢心している訳ではないが、これほどまでにしなかった。
けど、転生して、両親が目の前で死んで、新しい家族ができて、それを守りたいと思った。
それが原動力になっている。
昔の日本は国の為に命を捨てる覚悟で戦っていた。
前世の俺は馬鹿げていると思ったが、今なら少し分かる。
生まれてそう教え込まれたら、誰だってああなったと思う。
村に着いた。
師匠は近くに村があったら寄るようにしている。
さっきも言ったように、小さな村は賊などの被害に遭っている場合が多い。
そういうのを助ける為に師匠は村に寄るのだ。
村に近づいて行くと、何やら黒い煙が村から出ていた。
それも一つではない。
複数の煙があがっている。

「師匠。」

俺は前に歩いている師匠に話しかける。
師匠の手には既に戟が持たれていた。

「行くぞ。」

一言だけ言って、師匠は馬に乗り込む。
俺もそれに続いて後ろに乗り込む。
村まで馬を走らせると案の定か、村は賊に襲われていた。
入り口付近で馬を下りると、師匠は村人を襲おとしている賊に向かって走り出す。
今まさに剣を振り下ろそうとしている賊の両手を斬り裂く。
賊は何があったかを確認する前に、首を刎ねられ絶命した。
師匠に続いて俺も馬を下
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