怪異の巣窟 後編
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が突っ込んでくるとは思わなかったようだ。途中でセイスの人外染みた体力にはそれなりの警戒をしていたようだが、最初から彼が逃げることを優先してたせいで油断していたのだろう。
それを機に、セイスは思いっきり拳を振りかぶり、同時に殴りかかる。不意を打たれたせいで回避が間に合わないと判断した楯無は、ガードの体勢に入るが…
(計・算・通・り!!)
「え…!?」
―――その勢いのまま楯無を素通りした…
◇◆◇◆◇◆◇
(やられたっ!!)
まさか、いきなり殴り掛かって来るとは思わず反応が遅れてしまった。すぐに相手が通り抜けた方へと視線を向けると、とある部屋が目に入った…。
(食堂!?まさか…!!)
ここでようやく相手の目的に察しがついた。ここの食堂はお洒落にも外を見渡せるテラスが野外に設備されている。今は夜なのでサッパリ見えないが、天気の良い日は良く見えるそうだ…。
―――学園を取り囲む海原が…
(海に逃げる気!?でも、かなり距離が…)
いや、彼なら……先程の鬼ごっこでチラホラと見掛けた彼の身体能力を思い返せば不可能な話では無い…!!
その予想が正しい事を証明するかのように、視界に捉えた逃走者は勢いを殺すことなく一直線に外のテラスへと向かって走りつづけていた。
「逃がさないわ!!」
もう出し惜しみする余裕は無い。自身のIS『ミステリアス・レイディ』を部分展開し、ガトリング内蔵式ランスを呼び出す。相手を殺さない程度に無力化を計り、照準を手足に合わせる。そして、その引き金を…
―――パパパパパパパパパパパパン!!
「ッ!?」
―――“引く前に”楯無の背後から炸裂音が響いた…
一瞬、伏兵か何かに撃たれたのかとさえ思った楯無は反射的に後ろを振り返る。すると、そこには人なんて居らず……くすぶった爆竹が一つ、寂しく転がってるだけだった…。
―――ダンッ!!(パリン…)
「しまっ…!?」
気付いた時にはもう手遅れ…。力強く地を蹴る音と、ガラスの割れる音がした方へと視線を戻した時には既に、逃走者は宙を飛んでいた………否、手足をジタバタさせながら“跳んでいた”。やがて…。
―――ドッボーーーン!!
50メートル以上はあろうかと云う距離を跳びきり、彼は大きな水柱を上げながら海へと飛び込んだ。
慌ててISのセンサーで索敵してみるものの、海中に潜られたせいか全く引っ掛からない。
「そもそも監視カメラに“映らない”のよね、彼…」
だい
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