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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第8話:新メンバーを選抜せよ−2
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のか
空中に目線をさまよわせながら考え込んでいた。

「他にあるか?」

ゲオルグが2人に向かって確認するように尋ねると、
やや間があってエリーゼとティアナは互いに顔を見合わせてから
ゲオルグに向かって頷いてみせた。

「よし。 ここでこうしていても仕方ないしさっさと始めるとするか」

ゲオルグはそう言うとソファから立ち上がる。
チンク達も同じく立ち上がり、4人は連れだって通路に出た。
会話もなく足早に歩く4人は、玄関から外に出ると訓練スペースへ向かって進む。
訓練スペースの近くまで来ると、その手前でにたむろしている
フォックス・ファルコン両分隊の面々の姿が見えてくる。

(だらしないな・・・後でクリーグとウェゲナーに一言言っとくか)

ゲオルグがわずかに顔をしかめてそんなことを考えていると、
隣を歩いていたチンクが足を速めて彼らの方へと向かっていく。

(チンク?)

その後ろ姿からは怒りのオーラが立ち上っているようにゲオルグの目には見えた。

ゲオルグ達3人に先んじてフォックス・ファルコン分隊の面々のそばまで
たどり着いたチンクは、背をピンと伸ばして大きく息を吸い込むと
自分の前にたむろする隊員たちに向かって声を張り上げた。

「お前らは何をしている! 秩序もなくたむろしてぺちゃぺちゃと雑談して
 だらしのない! サッサと整列しろ!!」

その一喝で隊員たちはチンクのほうを振り返った。
そしてチンクの顔を見た彼らはその顔に浮かんだ憤怒の表情に恐怖した。
隊員たちは直ちに分隊ごとに整列し、チンクに向かって深く頭を下げた。

「醜態をお見せして申し訳ありません」

全員を代表してフォックス分隊の曹長が謝罪の弁を述べると、
チンクはふんと鼻を鳴らして応じた。
そこにゲオルグたち3人が追いついて来る。
整列した隊員たちの前に立ち、ゲオルグは全員の顔を見まわした。

「揃ってるな。 君らには先日話した通り新しい分隊長候補の能力確認のための
 模擬戦に参加してもらう。 ご苦労だがよろしく頼む」

隊員たちに話しかけながらゲオルグはチンクに念話を送る。

[チンク、あんまり細かいことでガミガミやるな]

話しかけられたチンクはゲオルグの方を横目でちらっと一瞥すると、
同じく念話で反論する。

[お前は連中のだらしのないさまを見ていなかったのか?
綱紀の緩みを正すのは指揮官の任務のうちだ。放っておくことはできない]

[放っとけとは言ってない。 叱り飛ばす相手を間違えるなと言ってる。
コイツらの直属の上司は分隊長のクリーグでありウェゲナーだ。
つまり俺やチンクはこいつらにとっては上司の上司でしかない。
俺らはコイツらの綱紀の緩みをクリーグやウェ
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