暁 〜小説投稿サイト〜
副部隊長と戦技教導官の色ボケな日々
<2:if編>
フェイトの場合 CASE−1
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突入作戦を終えてエメロードのアジトからシャングリラの艦内に戻ると、ゲオルグは
自分の前を歩くフェイトの肩に手を置きながら話しかけた。
その顔は作戦が成功裏に完了した直後というのにどこか切羽詰った表情をしていた。

「ねえフェイト」

「何?」

「ちょっと話がしたいんだけど、時間取れるかな?」

「今から?」

「うん」

妙に緊張した様子で頷くゲオルグに腑に落ちないものを感じつつ
フェイトは少し考えてから首を横に振った。

「悪いんだけど、少し汗を流したいから後にしてもらえないかな」

フェイトがそう言うと、ゲオルグはあわてたように手を顔の前でブンブンと振る。

「ううん、ぜんぜんいいよ。 僕もシャワー浴びたいし。
 じゃあ、あそこの休憩室で待ってるから」

ゲオルグが通路の先を指差しながら言うと、フェイトは頷いて返事をする。

「うん、わかった。 じゃあ、また後でね」

そして、2人はフェイトの部屋の前で別れた。
部屋に入ったフェイトは黒い執務官の制服をベッドの上に脱ぎ捨てていく。
下着もすべてベッドの上に放り投げて、生まれたままの姿になると
クローゼットからバスタオルを掴んでバスルームに入る。
パネルを操作するとすぐに熱いお湯がフェイトの白い裸体へと降り注いだ。

「はぁ・・・」

自らの肢体を流れ落ちる湯の温かさを感じながら、フェイトは大きく息を吐いた。
さながら体内の疲労を吐息とともに吐き出すように。
そしてボディソープを手に取ると身体を洗い始める。
全身くまなく泡だらけになったところでもう一度、今度は先ほどよりも小さく
息を吐くとフェイトはバスルームの壁にもたれかかって目を閉じた。

「疲れた・・・」

目を開いてぼんやりとシャワーの湯が流れ落ちるのを眺めながら、
つぶやくように言葉が漏れた。

(まあでも、無事に作戦が終わってよかった)

壁から身を離して、泡だらけになった全身を湯で洗い流していくフェイトの顔には
柔らかな笑みが浮かんでいた。

(そういえば、ゲオルグの話ってなんなんだろ・・・)

ボディソープの泡を流し終えたところでフェイトはその笑みを消して
真剣な表情になる。

(ずいぶん真剣な顔だったし、エメロードについて気になることがあったのかな?)

真面目に考え込むフェイトの長い金色の髪をシャワーの湯が伝って滴り落ちていく。
しばし真剣に考え込んでいたフェイトだったが、やがてふいに表情を緩める。

「ま、本人から話を聞けばわかることだよね」

ことさら明るい口調で自分に言い聞かせるようにそう言うと、
パネルを操作してシャワーを止めた。
掛けてあったバスタオルを掴むとぬれた髪に押し付けて水分を取っていく。
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