暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンラインーツインズー
SAO編−白百合の刃−
SAO14-聖紅の矛
[1/12]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「おはようドウセツ」
「おはよう」
「おはようございます、イリーナさん」
「はい、おはよう」

 久々の自分の家で目を覚ました私は軽く朝飯を取ってから、指定された決闘の場、五十二層『フリーダムズ』へ向かう。そのデュエル場所がまさかのドウセツの家の前だった。

「なんで、ドウセツの家の前なんですか?」
「そりゃあ、ドウセツがいるからよ」

 あんまり大した理由じゃないのか、ドウセツは不服そうにイリーナさんを見つめていた。もっとも、イリーナさんはドウセツを丸めこむようにからかって、対処していた。
 でも、私もやるのならドウセツが見てくれている方が心強いから家の前では正解かもしれない。こんなこと、口にしたら怒られそうだから黙っておこう。
 さて、イリーナさんとの雑談も悪くないけど、今日は私にとってもあり、最悪兄にとっても分かれ道をどちらに進む権利をかけたデュエル。勝てば、もしも兄が血聖騎士団に入団させられても取り消す権利を私は与えられる。兄が入団する前提なのは不服だけど、保険はかけても損はないと思う。そして負けたら、私が負けたら血聖騎士団に入団。
 負けられない戦い。だから出し惜しみせず、全力でイリーナさんに勝つ。
 
「あら、最初から薙刀で行くの?」
「もう隠す必要が更に無くなりましたのでね」

 正直、油断して欲しかったところはある。
 だけど、おそらくイリーナさんは小細工も効かない正真正銘の力を振るうことができる人なんだろう。
 なので、私は“小細工”を使わないように見せつけた。

「それじゃあ……“最初”は剣でお願いしようかしら」

 イリーナさんは片手剣を左手に持ち出した。
 基本的に片手斧を使用するって、ドウセツは言っていたけど、片手剣なのは専門武器じゃなくても勝てるっていう挑発なのか? いや、ドウセツは片手剣だろうが、片手斧だとしてもどうでもいいことだから気にするなって教えてくれたっけ? だから深く考えずにやれることだけをやってみよう。

「じゃあそろそろやる前に……ドウセツ」

 デュエルを見守るドウセツの表情は清々しく冷静で淡々としていた。

「何かしら?」
「あー……そのー……」
「なに? 言いづらいことを私に伝えようとしたの?
「いや、その、そうじゃなくてさ……あ、私になんかエールを送ってよ!」
「嫌」
「さいですか」

 即答中の即答だったよ、チクショー。でも、エールはもらえなかったけど見守るだけでもありがたいことだな。

「始めましょう、イリーナさん!」
「えぇ、始めましょう」

 デュエルメッセージを受諾。オプションは初撃決着モード設定してカウントダウンが始まった。
 十分な距離をとって私は構えずに薙刀を立たせるように地面に突き出す。
 弱点もなく
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ