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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第七八幕 「重力への抵抗」
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辱と苛立ちが沸騰する。人はそれを八つ当たりというのだが、動機が何であろうとやられたらやり返さなければ気が済まない子供っぽい反抗心こそがユウの力の源でもある。

―――そんなに僕の事を見下したいならそのままそこでボーっと突っ立っていろ、そのまま撃ち落してやる!

「フィンスラスター逆噴射、PIC反転!噴射加速にはこういう使い方もあるんだよっ!!」

突然ユウはドゥエンデに背中を向けると・・・そのまま背部のバーニアを使って噴射加速を行った―――慣性制御とフィンスラスターで無理やりその空間に風花を固定させたまま。すると何が起きるだろうか?凄まじい威力で吹きだす噴射加速の風が正面に存在する大地を砂埃という形で一気に噴き上げた。曰く、目くらましだ。

だが、ISに目くらましは大した意味がない。ハイパーセンサーによる補正はすぐさまその障害物の先にある敵影を正確に捉えるため、効果は一瞬しかない。―――逆を言えば、古典的な手段でも一瞬は目をくらませることができる。

その一瞬のうちにユウは・・・確かにドゥエンデの予想を超えた行動を行っていた。

壁への激突によって空いた穴のなかから、両手に抱えるほどの鉄材を抱えて出て来たのだ。鉄骨、鉄板、鉄支柱に鉄パイプ・・・とにかく壁の向こうにあったものをありったけだ。

「これこそつららちゃん直伝!!投擲地獄だぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」

天高く振る挙げられた左足を地面に叩きつけ、その勢いを以てユウは鉄材を鬼のようにブン投げた。ISデビュー戦で披露した体当たり然り今回然り、つくづく原始的な戦闘方法に定評のある男である。伝承した覚えないですけど!?とどこかで聞こえた気がするが気のせいだろう。技って盗むものだし。

感情任せのヤケクソと侮ることなかれ、鉄材はそれぞれが優に3,40sを超える重さ。それをISのパワーで相手に投げつければそれはある種立派な兵器である。手元にある鉄材を矢継ぎ早に投げる投げる。恐るべきスピードで次々に投げる。流石のドゥエンデもこれには虚を突かれたらしく、反応が一瞬遅れた。

《――――!》

が、それでも攻撃を食らう愚は侵さない。両手の高周波ブレードを次々に振るい、飛んでくる鉄材を飴細工のように切り裂いていく。ぞっとするほどに無造作で機械的な太刀筋・・・だが、幾ら2本の剣でも全ては防ぎきれない。例えば迎撃中にISが猛然と抱えた鉄骨をフルスイングすれば・・・手が一本ほど足らなくなるのではないか?

「鉄骨はなぁ、未来の火星じゃ最強の武器なんだよぉぉぉぉぉぉッ!!!」
《――――!?》

尚、彼が言っているのは昔にプレイしたロボットゲームの話である。馬鹿かお前ばっかじゃねえの!?と言わんばかりにこちらを一瞥したドゥエンデは微かな動揺を見せながらワイヤーに引かれる様に背後
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