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とらっぷ&だんじょん!
第一部 vs.まもの!
第15話 ぶんなぐってやる!
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 ウェルド達は路地裏の、積み上げられた木箱の陰に隠れ、身を寄せあって眠った。体を温めるものは、互いの体温しかなかった。夜が白々と明けていく頃、ウェルドは目を覚ました。誰も減ってはいなかった。ノエルも、パスカも、ルカも、ジェシカもいる。
 隣のノエルは緑のショールを頭からすっぽりかぶり、ウェルドに凭れ掛かっていた。その体をそっと押し、立ち上がろうとすると、寝ぼけたうめき声を上げながら、目を覚まし髪をかき上げた。
 その微かな気配で残る三人も起きた。状況が状況だ、誰も熟睡してはいなかった。暫くは五人とも座りこんだまま呆然としていた。やがて、昨夜の出来事が夢ではなかったと認めざるを得なくなり、沈鬱な表情が、五人の顔を覆う。
「落ち着いたみたいだな」
 パスカの言葉にウェルドは頷く。
「宿舎に戻ろうぜ」
 めいめい頷くが、誰も率先して立ち上がろうとしない。逃げ遅れた仲間達の無惨な姿が、宿舎で待ち構えていたら……そう思うと動きたくなかった。仕方なく、ウェルドが最初に立ち上がった。ノエルはショールの下に蒼白な顔を隠し、怯え、震えていた。彼女は最後に立ち上がった。
 先頭のパスカが建物の陰から通りを伺う。振り向き、来い、と手で合図した。
 通りには死体を引きずった後の長い血の帯が引かれ、その帯上にぶんぶんと、蠅が輪を描いて飛んでいる。金色の朝日がまぶしく、清らかで、力強いだけに、凄惨さが際だつ光景だった。そして臭い。
「みなさん、ご無事だといいのですが……」
 ルカが呟く。誰も何とも返事のしようがなく、五人の足音だけが響き、少ししたところで、ウェルドが応じた。
「あの女たらしと陰険野郎は殺しても死なねぇよ」
 そう思いたかった。
「でもエレアノールは心配だ」
「レイアもな」
 と、パスカ。
「レイア、あいつさ……俺たちがインディゴスとかいう化け物と戦った時、逃げろって言っただろ。覚えてるか? ウェルド」
「ああ」
「レイアだって日頃ツンケンしてるけどさ、アレが本当に自分の事しか考えてない人間の発言だなんて俺には思えねえ。昨晩だって……」
 再びの沈黙。ジェシカが石を蹴りながら呟く。
「あいつらみんな、無事だといいよね」
 背後を歩くノエルの足音が、不意に途切れた。振り向くと、彼女は道の端で、卵のように体を丸めてうずくまっている。
「大丈夫か?」
 腰を屈めて尋ねるが、反応がない。もぞもぞと身じろぎし、少ししてから立ち上がった。無言で、無表情だった。他のどんな表情よりも、無表情なのが辛かった。五人は黙々と歩いた。
 宿舎に帰りつくと、その入り口から少し離れたところで立ちすくんだ。戸がぶっとばされ、木っ端のように散乱し、前階段には血が流れ落ちた後の盛大なシミがあり、中は暗い。
 ウェルドは四人の仲間をその場に残し、血痕を踏
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