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東方攻勢録
第六話
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ば父さんと母さんなんて口にしないだろうし、ましてや親の名前を間違えるなんて考えられない。
「どういうことですか……教えてください!!」
「私はそれ以外知らないわ。その本の事を教えてくれたのはパチェよ」
 パチュリーの方に視線を向けると、彼女は何も言わずに首を横に振った。なぜ彼らがこの本に名前を残し、さらに幻想郷に来たという証拠があるのか、ここにいる彼らには分からないことだ。
 俊司は何もしゃべることなく本に書かれた名前をじっと見つめる。だが本が真実を語ってくれることもなく、ただ時間だけが過ぎて行く。そんな彼を見ていたレミリアは静かに鼻で笑ていた。
「そんなに気になるのなら聞いてみればいいじゃない?」
「えっ……あっ」
 異変を解決した人物達の中には紫達三人もいる。彼女達なら親の事を知っているだろう。それに気づいた俊司はすぐさま永遠亭に帰ろうとする。
 だがパチュリーはなぜか彼を引き留めていた。
「待って。別に変える必要なんてないわ」
「……どういうことですか?」
「大図書館に魔理沙がいるわ。ついてきて」
 俊司達はパチュリーに言われるがまま大図書館に向かうのだった。


 紅魔館の地下は大量の本が所狭しと並べられた大図書館となっている。ここには存在するほとんどの本が陳列されているらしく、ここを訪れる者も結構いるらしい。
 そんな図書館の中央付近では二人の少女が話をしていた。一人はロングヘアーの少女でで魔法使いのような容姿をしており、もう一人はショートヘアーの少女で付近を人形が漂っていた。
「……暇だぜ」
「そうね。休憩中にパチュリーもどこか行っちゃったし、今から何を調べたらいいのやら……」
 どうやら二人はやるべきことが見当たらず暇を持て余しているようだ。そんな二人の背後からさっきまでエントランスにいた一同の姿が見え始める。二人もそれに気付いたようだったが、こっちを見たとたん何もしゃべらなくなってしまった。
「あら二人ともどうしたの?」
「おいおいパチュリー……どうしたって……その後ろにいるの……」
「俊司……なの?」
 俊司は彼女達の前に出るとこれまでの経緯を簡潔に説明する。まあ大方の予想通り二人が理解するまでだいぶ時間がかかったが、最終的に二人は笑いながら彼の復帰を歓迎していた。
「しっかし奇妙な事もあるもんだな。どうやったらそんな運命を引き当てられるか聞いてみたいぜ」
「我ながらそう思うよ。ところで魔理沙……聞きたいことがあるんだ」
 そう言うと俊司はロングヘアーの少女に例の質問をしてみた。
「里中修一……里中涼子。この二人を知ってるか?」
 それを聞いた魔理沙はなぜか何も言うことなく目をつむっていた。
「そうか……やっぱりそうなのか」
「えっ……」
「どことなくそういう気がしていたんだ。俊
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